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グラムス、商品画像の一括作成で2次流通のデジタル化をリード

堺市発のイノベーションを創出するスタートアップ起業家連続インタビュー第6回

特集
堺市・中百舌鳥の社会課題解決型イノベーション

提供: NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム、堺市

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 大阪府堺市は社会課題の解決に向けて、イノベーション創出エコシステムを構築するための様々な施策を展開している。その中核を担う新規事業に取り組むスタートアップの中からグラムス株式会社にインタビューを行い、彼らの事業運営方針や堺市への期待などを伺った。

 オンラインファッションコマース事業を運営していた現グラムス株式会社CEOの三浦大助氏は、「ささげ(撮影・採寸・原稿)」と言われるデータ作成業務の負担の大きさがEコマース産業の重大な課題であることに気が付いた。そこで商品画像の大量かつ一括、全自動処理システム「ZenFotomatic(ゼンフォトマティック)」の開発に着手するとともにグラムスを創業した。

 グラムス株式会社 CEO 三浦 大助氏(左)、同社 CTO Blain Hosford氏(右)

 その開発の中心を担った共同創業者のBlain Hosford氏が英語ネイティブなエンジニアであったこともあり、当初から全世界に向けてリリース。「ZenFotomatic」はすでに世界241の国と地域で利用されている大ヒットサービスへと成長を遂げている。

 自社によるEコマース事業からEコマース向けソリューション開発、そして他Eコマース事業者向けのささげ業務代行事業へと業容の拡大を続けるグラムスの企業運営や堺市のイノベーション創出エコシステムへの期待について、同社CEOの三浦氏とCTOのBlain Hosford氏に話を伺った。

グラムスの多国籍チームマネジメント

 特にセカンドハンドの商品(中古品)をオンラインで販売する場合、購入者にとっては商品の写真だけがその品質と状態を教えてくれる情報源となる。それだけに写真の画質だけでなく、色味、明るさ、陰影の様子、商品のどこを撮っているかなど、様々な要件に留意しながら写真の撮影、加工などを行う必要がある。

 グラムス創業前に個人事業としてアパレル商品のオンラインコマース事業を運営していた三浦氏には、商品画像データ加工業務がEコマース事業を成長させる上で非常に重大な課題となっていた。そこで画像解析や3Dモデリングなどを得意分野とするエンジニアBlain Hosford氏に画像処理システムの開発を依頼するとともに、共同でグラムスを創業した。

「勤めていた会社を辞めて自分でブランド物のオンラインショップを始めた。もともとSEをやっていたので、楽天、ヤフー、アマゾンとかに商品を出したり在庫調整をやったりというプロセスを自動で動かすシステムを組んだ。でも撮った写真を自動で画像処理するというところがどうしてもできなかったのでBlainに頼んだ」(三浦氏)

「Photoshopを使ってやっていたが非常に大変そうで、それで何とかしようと考えた。『ZenFotomatic』はそこから始まった」(Hosford氏)

 グローバルにビジネスを展開したいと考えるスタートアップは外国出身者をメンバーに加えたり、現地で雇用したりすることも少ないだろうが、文化的な違いが衝突の原因になることもあるだろう。しかし三浦氏とHosford氏という異なるバックグラウンドを持つ2人がチームを組んで設立されたグラムスでは、大きなトラブルは起こらなかったという。それは三浦氏の持つある種の鷹揚さだけが要因なのではない。

「Blainとは以前一緒にバンドを組んでゲリラライブなどもやっていたが、バンドでは例えばベーシストにここはこうしてほしいとか細かいことは言わない。そのパートは全部任せる。それでやっていける奴とでないとバンドはできない。仕事も一緒だと思っている。自分の背中を相手に任せて、それぞれのメンバーがそれぞれ別の方向を向きつつ、全体であらゆる方向に目を光らせる、みたいな感じでマネジメントしている」(三浦氏)

 食べるものの違いとか、立ち居振る舞いの違いなど、ことさらに細かい違いを見つけ出そうとすると摩擦が生じやすい。まず背中を預けられる信頼感を醸成し、各々が重視するフォーカスの違いを理解することが、多国籍チームのマネジメントに効果的だと三浦氏は考えている。

 また現実的には、そもそも日本における大企業とスタートアップの文化の違いの方が多くのトラブルを生じることがある。合意形成を重んじて承認ルートを通過した行動の安定性に軸足を置くメンバーと、個々のプレイヤーが自律的にアクションを起こすことで即興的なクリエイティビティの発現があると考えるメンバーが机を並べて仕事をするのは難しい。グラムスでは三浦氏が明確に社風を示すことで、採用を含めて社内の意思統一が図られている。

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