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優れた技術者を求めるなら開発生産性を高めよ!Findyが進める2023年のエンジニア組織とは

連載
マスク・ド・アナライズのスタートアップ!人事!

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 ITエンジニアにとって、どんな環境で働くかは重要です。今回はエンジニアの働き方や転職を支援しながら、生産性向上に取り組むFindy株式会社にお話を伺いました。CEOとして経営全般を把握する山田裕一朗氏から転職市場について、CTOとしてサービス開発やチームマネジメントを担う佐藤将高氏から働き方などを伺いました。

右、山田裕一朗氏 左、佐藤将高氏

マスクド:Findyにおけるエンジニアの定義について教えてください。

佐藤:エンジニアの中でもソフトウェアエンジニアを前提として、Web系に特化しています。弊社を利用するエンジニアの特徴としては、最新技術や海外事例など新たな分野に対する学習意欲が高い方が多いです。いわゆる「テックリード」などと呼ばれる、技術のスペシャリストをイメージしてください。

マスクド:Web系のエンジニアを取り巻く転職動向について、どのような変化がございますか。

山田:転職市場全体としてはコロナ禍の2020年頃から落ち込みましたが、エンジニア転職に限ると2021年から2022年にかけても伸び続けています。これはエンジニア需要が高いスタートアップが資金調達後に採用を強化したり、1人当たりの転職時における年収や手数料の単価が上がったためと推測しています。今後においても日本では海外よりもエンジニア不足が顕著ですし、上場企業における内製化の推進などもあり、大幅な冷え込みは考えにくいと思います。

マスクド:コロナ禍でリモートワークが普及して、地方在住者が東京の企業に転職する事例が増えました。逆に東京のエンジニアが地方企業で働いたり、地方に移住する事例も増えていますか。

山田:まず東京の企業におけるリモートワークや、地方在住者の採用は確実に増えています。地方企業でも徐々にリモートワークは増えていますが、正社員採用ではなくフリーランスによる業務委託も多いです。また、エンジニア採用を行う企業の本社の所在地は東京が多いですが、登録エンジニアの65%程度は一都三県に在住しており、週1-2回オフィスへ出社する働き方も見られますね。

わかりやすい指標としての「メモリ8GBの壁」

マスクド:働き方は変わっていますが、転職の理由や求められるスキルの変化などはありますか?

佐藤:転職する理由として以前から変わらないのは、「技術力の高い会社で優秀な人と一緒に働きたい」という点です。直近における変化としては、優秀なエンジニアほど開発環境における生産性の高さに着目しています。これは最新かつ幅広い技術を習得するという個人のスキルアップだけでなく、組織として技術を活かしながら開発生産性を高めることが注目されるのは、ここ1~2年での変化と言えるでしょう。

山田:2020年頃までは大企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)においても、内製化よりも外注管理を行うPM(プロジェクト・マネージャー)の需要が強かったです。それが2022年に入ってからは、内製化を推進するため社内のエンジニアチームをまとめるEM(エンジニアリングマネージャー)としての採用が主流になってきました。また、メガベンチャーでモダンな開発環境とチームマネジメントを経験された方が、大手の事業会社に転職し始めたのも昨今の傾向ですね。

マスクド:これから内製化に取り組む大企業において、エンジニアを惹き付けるために必要な魅力は何でしょうか?

山田:大企業においてスタートアップとは異なる魅力が2点あります。1つ目は膨大なデータを元に新たなサービスを開発できる点です。2つ目は社会貢献度の高さが挙げられます。例えばコンビニエンスストアにおいて災害発生時の救護インフラを提供するなど、社会生活に密着したサービスに携われるのはスタートアップとは違った面白さだと思います。

 一方で大企業だからエンジニアを採用できるわけではありません。「DX推進のため都心にオシャレなオフィスを作りました」と発表してメディアに取り上げられても、リモートワークを望むエンジニアにとってはズレがありますよね。

マスクド:エンジニアが働く環境を選ぶうえで、大企業やスタートアップを問わず環境や社内文化が影響してくると思います。読者に向けて企業選びのアドバイスなどはありますか?

佐藤:エンジニアの開発環境が重要だと考えています。わかりやすい指標としては、会社全体で同じPCを支給する「メモリ8GBの壁」があるかどうかです。まずはこうした制約を取り払って、生産性向上のために高性能PCを支給するのは必須条件です。次に開発環境におけるツールやサービスをどこまで自由に選択できるか、テストの自動化など効率化に投資ができている企業が良いと思います。心理的安全性が確保された環境で、生産性を高めながらコードを書いて挑戦できる働き方を実現できる企業が狙い目だと思います。最終的にはエンジニアにとって余計な制約がない状態を作り上げるといった、マインド面が重要になるでしょう。

山田:エンジニアが働きやすい環境の判断として、リファクタリングやテストのカバレッジ向上など、短期的な利益や機能開発につながらない開発をどれだけ許容できるかが挙げられます。こうした作業は数ヶ月ほどかかりますが、完了後には開発生産性の大幅な向上が期待できます。こうした環境の整備はエンジニアにとって働きやすさに直結しますし、弊社でも大きな効果を出しています。

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