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堺市「中百舌鳥イノベーションシンポジウム」レポート 前編

特集
堺市・中百舌鳥の社会課題解決型イノベーション

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中百舌鳥エリアがリードする堺市のイノベーションエコシステム

 基調講演に続いて、堺市産業振興局 産業戦略部 中百舌鳥イノベーション創出拠点担当課長 西浦伸雄氏(以下、西浦氏)から、「NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム」の施策が紹介された。

堺市産業振興局 産業戦略部 中百舌鳥イノベーション創出拠点担当課長 西浦伸雄氏

 本シンポジウムの最初にあった永藤市長の挨拶にもあったとおり、堺市は中百舌鳥地域がイノベーション創出のリーディングエリアとして発展するよう、さまざまな取り組みを進めている。「NAKAMOZUイノベーションコア創出コンソーシアム」は、多様なステークホルダーが協力し、連携するプラットフォームとして設立されており、大阪公立大学や堺市で事業を展開しているディベロッパーや金融機関、IT事業者、産業支援機関などが参加している。

 少子化の進行に伴う人口減少の加速と高齢化の進行は、日本のすべての自治体における喫緊の課題といえる。堺市もその例にもれず、2010年に84.2万人だった人口が2020年に82.4万人となり、2030年には77.5万人にまで減少すると推計されている。これにより税収に影響が出た場合、将来的な行政サービスへの影響も考えられる。この課題を解決するために、堺市はイノベーションを生み続ける都市として「未来を創るイノベーティブ都市」をその都市像に掲げている。

 中百舌鳥エリアは、堺市におけるイノベーション創出のリーディングエリアとして定義されている。すなわち、地域と社会にインパクトを与えるために新たな価値、イノベーションを創出する新事業の担い手となる若手人材や起業家の集積地となることを目指して整備が進められている。

「堺市にはいろんな方が来ていただいているが、特に地域や社会について考えている方が非常に多い。例えば、次代を担う子供や女性、あるいは高齢者が社会参加しながら取り組めるイノベーションを起こそうという方が集まってきている。そこに仕組みとしてITやテクノロジーを掛け合わせて新しい取り組みをしている方が徐々に増えつつある。

 我々としては地域に根付くようなイノベーションをどんどん生むことによってコミュニティやエコシステムを形成し、地域に資するイノベーションを起こしていきたいと思っている」(西浦氏)

 堺市では「中百舌鳥イノベーション 地域社会未来創出プロジェクト」やS-Cubeでのアクセラレーションプログラムも実施されている。これは地域の抱える課題やニーズを解決するためのプロジェクトをどんどんつくっていこうという取り組みとなっている。

「福祉部門や子育ての課題を解決するものであったり、あるいは高齢化社会とか泉北ニュータウンなどの課題も共有したりしながら共創することによって、新しいプロジェクトやビジネスを生んでいこうというプロジェクトだ。こちらの申し込みは、形の上では閉め切っているが、まだ参画可能なので興味ある方はぜひ問い合わせをしてほしい」(西浦氏)

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