PLATEAUは高精度な都市素材となる。フォトリアルな3D都市モデル実現へ
~クリエイターの開発事例~【後編】
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テクスチャマップがもっときれいになることを期待
――林さんが個人的に、こんなことにPLATEAUを使ってみたいというところはありますか。
林:まだあまり経験はないのですが、VJなどの映像やインタラクティブ広告ですかね。PLATEAUは東京の都市データが大量にあるので、コードがそのままでも場所が変わると表現も少し変わったりすると面白そうですね。
――PLATEAUはここが課題だという点と、将来的な期待について教えてください。
林:課題に関しては慣れてしまったので、そんなにありません。ただ、ファイルサイズやデータの読み込みは早い方がよいですよね。
あとは、LOD2のテクスチャが、もっときれいになったらいいなと思うところはあります。引きであればよいのですが、寄ると少しぼやっとするので。よく見ると歪みもありますし、撮影した時間帯の問題なのか、しっかり影が入っているところもあります。解決は難しそうですけれども。
[補足] PLATEAUのテクスチャは航空写真を基に作られている。そのため、解像度が低かったり、撮影日時の関係で影が入っている箇所がある。
この点、一緒にOPEN HUBの案件をやっていたWOWさんも、PLATEAUのモデルを使っていたのですが、とってもきれいに使っていたんです。僕のほうでもLOD2のデータをBlenderで検証を兼ねてレンダリングしてみたのですが、オルソ画像とライト周りをきちんと作ってあげれば、既存のテクスチャでも結構きれいに出せそうでした。
あと最近は、ディープラーニングを使って、ぼやけた画像を精細化する技術があるので、元のテクスチャ素材を大きくして、トーンカーブや明暗をはっきりさせたうえで、地面のテクスチャを貼る。それらに対して、別にライティングで影とかを作る。ライティングも、全天球のライトのようなもので調整してもいいですね。やり方次第で、克服はできそうだなと思いました。
今後のPLATEAUに期待している点ですが、デモとして拝見させていただいた沼津市のLOD3のデータでは、信号や町中の看板、窓枠までメッシュが存在していて驚きました。このクオリティーで利用できるエリアが広がっていったら、LOD2以上にフォトリアルなビジュアルが作れそうで楽しみです。
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