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JETRO、スタートアップのブラジル市場展開のため支援策を発表

巨大市場ブラジルに挑戦できるスタートアップ向けアクセラレーションプログラム「ScaleUp in Brazil」

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高い成長性を持つブラジルの市場環境

 続いて、JETROサンパウロ事務所の次長を務める松平史寿子氏から、ブラジル経済の概況について紹介がなされた。まずブラジルは面積で日本の22.5倍、人口で日本の約2倍、GDPは2020年時点で約3割の規模を持っていた。増加率は鈍ってきているものの人口増は続いており、GDPも今後の伸びが期待されている。

JETROサンパウロ事務所 次長 松平 史寿子氏

 日本の企業にとって有利と思われることに、戦前戦後からの日本人移民の存在が挙げられている。200万人もしくはそれ以上の日系ブラジル人が住んでおり、世界最大の日系移民コミュニティを形成している。日本語を話せる人も大勢いる。

 ブラジルで最も経済発展を遂げているのは南東部に位置する4つの州で、これだけでブラジル全体のGDPの半分以上を生み出している。多くの日系企業がこの地域に集中しており、最大の商業都市サンパウロもここに含まれるサンパウロ州に属している。

 ビジネス的に注目すべきは高所得者層マーケットが存在していることで、2億人の人口のうち3%がこの層を形成している。

「我々JETROもは食品のプロモーションもやっているが、和牛とかお酒とかが日本の価格よりも3倍4倍5倍になってもあっという間に完売する。そんな市場がある」(松平氏)

 現地の日系企業にアンケートを取ったところ、やはり市場規模およびその成長性に魅力を感じているという回答が多かった。コロナの影響は無視できないものの、この1~2年でさらに売り上げが増大すると予測する企業が95%に達している。

 また、コロナの影響もあるのか日系企業を含めてデジタル化への取り組みに対して積極的で、リモートワークでお客様に会えないならリモート顧客管理やリモート技術指導など、デジタル技術を素早く取り入れる側面を持っている。昔ながらのマーケットでもキャッシュレス決済が利用可能となっている。

 特に膨大なコーヒー畑、サトウキビ畑、トウモロコシ畑など農産物資源を抱えており、Agtech(アグリテック)には非常に力を入れている。また、これまで規制に縛られていた金融関係でも規制緩和が進み、大手銀行しかできなかったようなサービスを若いFintech企業が参入できるようになっている。例えばnubankのサンユウにより、従来口座を持っていなかった380万人が口座を持てるようになったと言われている。

 貧富の差の大きさはブラジルが抱える社会課題の1つだが、その解決に向けて、Fintechもブラジルで非常に大きな産業となりつつある。

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