最新パーツ性能チェック 第367回
ゲーム性能からクリエイティブ性能まで、インテル/AMD最上位CPUを比較
Core i9-12900KS最速レビュー!最大5.5GHzの第12世代Core最上位CPUはライバルを圧倒する?
2022年04月05日 22時00分更新
KとKSでまったく差が出なかった「Rainbow Six Siege」
ここからは、実ゲームベースのベンチマークに入ろう。まずは「Rainbow Six Siege」だ。このゲームもHandbrakeと同様にWindows 10+第12世代Coreの組み合わせでフレームレートが伸びきらなかったゲームだが、Windows 11ではどうなるのだろうか?解像度はフルHD、APIはVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
今回のセッティング(MTP無制限、Windows 11)では、Core i9-12900KS/12900KがRyzen 9 5950X/5900Xに並ぶどころか、5fpsほど上回った。平均fpsよりも最低fpsがRyzenより伸びている点に注目したい。
だが、肝心のCore i9-12900KSとCore i9-12900Kの差分では、12900KSの方が1fps遅い……というか、これは誤差としか言いようがない。今回の検証環境では、どのCPU環境でもRTX 3080の限界近くまで回っており、CPUのクロックを少々盛ったところで差を出すのは難しいのだ。
「Far Cry 6」ではRyzenを圧倒するも……
続いて「Far Cry 6」の検証に入る。起動時にAMDロゴが出る(=技術的支援が相応に入っている)ゲームだが、第12世代CoreがWindows 10環境でもRyzenを大きく上回るパフォーマンスを叩き出したゲームである。
今回は画質“最高”をベースに高解像度テクスチャーとVRS(Variable Rate Shading)を追加。レイトレーシングはGPU側の強烈なボトルネックを生むのでオフとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
Windows 11環境でも、Ryzen環境より第12世代Coreのほうが最低フレームレートも平均フレームレートもしっかりと出せることが確認できた。だが、Core i9-12900KSとCore i9-12900Kの差分はここでも非常に小さい。Far Cry 6のベンチマークで出るフレームレートは安定しない傾向があるため、4fpsの差は誤差の範囲内ともいえるが、300MHzのクロック上昇の効果としては妥当な差といえる。
GPUボトルネックは超えられなかった「Cyberpunk 2077」
もう1つ重量級のゲームとして「Cyberpunk 2077」で試してみよう。画質はレイトレーシングのない「ウルトラ」設定とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
全体を眺めてみれば、辛うじて第12世代CoreがRyzenよりも高いフレームレートを出しており、さらに言えばCore i9-12900KSがCore i9-12900Kを平均フレームレートで上回っているが、僅差すぎて評価に困る。このゲームのようにGPU負荷が極めて高くGPU側がボトルネックになる場合は、Core i9-12900KSのクロックの効果は活かされないのだ。
最低fpsに注目したい「Tiny Tina's Wonderlands」
新作タイトルの「Tiny Tina's Wonderlands」でも検証しておこう。APIはDirectX 12、画質は“バッドアス”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。最低フレームレートの1パーセンタイル点は出力されたcsvから算出している。
平均フレームレートはどのCPUも150fps以上出ているが、第12世代CoreのほうがRyzenよりも5fps程度高い(RTX 3080側が既にボトルネックになっている感もあるが)。ただ、Core i9-12900KS/12900Kの差は無きに等しい。強いて言うなら、最低フレームレートが微妙に高い点から、クロックの影響が出ている可能性もある……といったところだろうか。
第12世代CoreだとCPU処理に余裕が生まれた「Forza Horizon 5」
FPSが続いたので、レーシング系の「Forza Horizon 5」でも検証してみよう。画質は“エクストリーム”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。リザルト画面で表示される数値のうち、CPU側のレンダリング処理のフレームレート(CPU MinおよびCPU Avg)と、GPU側のレンダリング処理のフレームレート(GPU MinおよびGPU Avg)をそれぞれ比較する。
まず、Core i9-12900KS/12900KのCPU AvgフレームレートはRyzen 9 5950X/5900Xよりも20~30%程度高い。それと比べるとGPUフレームレートの差は小さいが、こちらもCore i9-12900KS/12900Kの方が5〜6fps高い。画面に出るフレームレートはGPUフレームレートが決めるので、結論としては差がほとんどない、ということになる。RTX 3080より強力なGPUをつかえば、もう少しCPUのクロックの差が出る可能性がある。
メモリーの影響が出る「F1 2021」は第12世代Coreが強い
続いては「F1 2021」での検証だ。画質は“超高”としたが、レイトレーシングはすべて無効、アンチエイリアスはTAAとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測するが、ベンチの条件はモナコ+ウエットとした。
F1 2021は過去の検証で、ゲームでは珍しくDDR5メモリーでフレームレートを伸ばせるタイトルだと分かっている。今回も第12世代CoreのフレームレートはRyzenより明らかに高い。そして、Core i9-12900KSはCore i9-12900Kよりも平均フレームレートにおいて勝っているが、その差は6fpsほどだ。GPU側のオーバークロックで伸びきれない部分を、CPUのクロックでカバーしたいような時にCore i9-12900KSは効く“かもしれない”。
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