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月面でも農業を可能に 次世代のアグリテック技術をもつスタートアップ5社

第44回NEDOピッチ「アグリテック ver.」レポート

特集
JOIC:オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会

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 最後に、農林水産省 大臣官房政策課 技術政策室 技術企画班 先端技術係 湊谷 陽太氏より「スマート農業の展開について」と題した政策紹介があった。

スマート農業の現状

 最初に、日本における農業の現状と課題について説明があった。我が国では農業従事者の現象が課題で、担い手の減少、高齢化などによる労働力不足が深刻化している。また、人手、特に熟練者でないと不可能な作業も多いのが課題だ。そこで、ロボットやITなど最先端技術を活用した農業である「スマート農業」に期待が集まっている。スマート農業では、作業の自動化や情報共有の簡易化、データの活用などの実現が期待されている。

 これまでの取り組みの中で、水稲関係のスマート農業技術の一貫体系がおおむね実現し、野菜や果樹に関しては機械化に向けた研究開発を推進中という。

 現在は、トラクターの自動走行制御システムや、自動運転田植え機など熟練者並みの作業を自動で行える機械の開発や、農機だけでなく、データの活用として農業データ連携基盤(WAGRI)の構築なども進められている。

 これらスマート農業の取り組みは、研究開発の段階から、実証実験、社会実証への取り組みが始まっている。実証から得られた結果としては、労働時間の削減などの効果は得られたものの、使用する面積が限られていたこともあり、農機のコスト面で利益が減少したという結果が得られた。

 これらによって見えてきたこととしては、スマート農業の効果は認めつつも、導入初期コストが高額であることや、農業データを営農だけでなく、販売や資金調達などの農業経営に生かし切れていないという課題も浮き彫りになったという。

 今後の方向としては、スマート農業推進総合パッケージの策定により、スマート農業の実証・分析、普及、新たな農業支援サービスの育成・普及、実践環境の整備、学習機会の提供、海外への展開など5点の施策に取り組む予定だという。

 また、先の挙げられた課題には農機のシェアリングやデータ分析、作業代行などを行う農業支援サービスの育成や農業サービス利用者が求める声に応じたサービス内容の構築、スタートアップへの支援など農業サービスの起業支援などスマート農業の普及促進に対して取り組むほか、サービスの実証にも取り組むという。

 農業データに関しても、データ連携を行うルールづくりとスマートフードチェーンの構築による農業経営力の強化などの取り組みを行うという。データの収集、利活用のガイドライン作成や生産だけでなく流通までとおしたコスト低減や付加価値向上の策定なども検討しているという。

 また、食料の安定供給・農林水産業の持続的発展と地球環境の両立が強く指摘されている中で、みどりの食料システム戦略を立案。持続可能な食料システムの整備に取り組んでいる。

 ここでは、2050年までに化石燃料由来のCO2ゼロエミッション化の実現や化学農薬や化学肥料の低減などを掲げており、実現のためには今日紹介のあったような企業のイノベーションにも期待が寄せられた。

 ここでの戦略は、アジア地域でのモデルケースとしても期待されており、国際会議での提案なども行なってゆきたいとしている。

 これらの実現には、スマート農業が重要な鍵になってゆくと感じているので、農水省としても引き続きスマート農業について推進してゆきたいと締めくくられた。

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