災害備蓄を社会でシェア 防災テック6社がピッチ
「IoT H/W BIZ DAY Product Pitch 2021」
エアコンの意識改革を図るGF技研
新しい空調システムでGreat resetを
次の登壇者は、株式会社GF技研 代表取締役 梅津健児氏。リモートでプレゼンを行った。
「エアコンとは本来、健康と安全に貢献する機器だった」と梅津氏。しかし現在は3つの大きな課題が見受けられる。使用電力の増加に伴い地球温暖化の要因の1つになってしまっている点、コロナ禍の現在窓を閉め切っての使用で感染症の伝搬につながってしまう点、使用する度に大量のフロンが排出されてしまうという点だ。「これらによってまだ見ぬ将来、大きな災害が予見される」と梅津氏は警鐘を鳴らす。
現在世界中では、室内機と室外機が分離している「分離型」のスプリットエアコンが使用されている。しかし「分離式」のままだと上記3つの課題が徐々に悪化していってしまう。今こそ新しい方式のエアコンが必要だと考える中で、「約50年前に使用されていた「一体型」のエアコンがヒントとなった」と梅津氏は語った。
風を流すだけで冷やす事ができる熱交換器、「IDEC」の実用化に取り組んだ。さらに「IDEC」を使用して従来のエアコンと同じくらいの性能を出すために、世界初のハイブリット冷却システムを開発。このシステムを採用すれば、使用電力は半分にまで抑えることができ、換気をしても電力の消費量は増えず、冷媒が漏れることがないと、さまざまな効果が期待される。
従来エアコンといえば冷暖房のことを示していたが、「本当の意味でエアーコンディショニングを目指す。空気の品質を変え、換気を行うためには新しいシステムが必要だ。現在のエアコンを減らし、新しい空調システム「FFA(フレッシュ・フリー・エアコン)」に置き換えていくことが目標」と熱意を持って語った。
牧野氏からの「従来のエアコンと比べて価格はどうなるか?」という質問に対し、「同じような量産規模ならば、従来かかっていた費用よりも2~3割安くなると計算している。電気代が半分になり、換気機能がついていることによってコストダウンが可能。生涯の費用としては安くなり、詳細に関しては現在検証中」と答えた。
田中氏から「電力が1/2となり、自然エネルギーを使用するという視点は大賛成。一方、グローバルで展開させるとなると製造エネルギーが拡大する。全世界にとってそれは良いことなのか。どのような思想を持っているのか聞きたい」と質問があった。「エアコンは今のままでいいというのが一般的な考えであり、皆改革をしないといけないとは思っていないだろう。全世界に広めるためには、まずそのマインドをGreat Resetすることが必要。徐々に新しいシステムに置き換えていけば初期のエネルギー投資も、ランニングコストも少なくなる。トータルで、最終的なGreat Resetができる。」と持論を語った。