オープン3D都市モデル「PLATEAU」一般市民が握る普及の鍵
テーマは「シビックテック」 PLATEAU CONNECT Session 01レポート
素早い3Dスキャンは災害時の対応にも活用できる
株式会社ホロラボはマイクロソフトのHoloLensが国内で販売開始された2017年に設立。Windows Holographicを軸に、リアルとバーチャルをつなげた次世代型の社会の提案を事業としている。
今年に入ってからは、株式会社NTTドコモと森ビル株式会社が大型商業施設「お台場ヴィーナスフォート」でAR空間設計の実証実験を実施した際に開発協力を行なったほか、熱海伊豆山土石流災害の発生時には、静岡県のオープンデータと動画から生成した高精細な3DCGを、PLATEAUとの互換性を持つプラットフォーム「toMap」上で可視化し、ウェブ上で公開している。
最近では、株式会社アナザーブレインと協業し、ユーザー参加型の3D都市空間データ作成キャンペーン「みんキャプ」を開催しており、一般ユーザーが「toMap」へ自身でスキャンしたデータを登録し、3D地図の作成に参加できる仕組みを取り入れている。このプロジェクトには東急株式会社もスポンサーとして参加しており、期間終了後、優れたデータに対しては表彰も実施する予定だ。
人の情報を3D化、ヴァーチャルでより良い世界を実現
2016年設立の株式会社VRCは、3Dアバターをソリューションとして社会実装することを事業化している企業だ。代表取締役社長の謝 英弟氏は、画像処理や人工知能、パターン認識の研究を修めた後、空間情報を簡単に記録できるソリューションが将来流行すると考えて起業したと話す。
同社の3Dアバタープラットフォームは人体を0.2秒でスキャンし、20秒で骨格入りのアバターを合成できるというソリューションだ。これを応用し、ヴァーチャル上で服を合成して洋服の試着をしたり、体型のシミュレーションをしたりといった用途に使えると謝 英弟氏は話す。
すでに、東芝テック株式会社と、即時オートフィッティング型3D試着ソリューション体験施設を開設したり、株式会社博報堂DYホールディングスと、次世代ファッション購入体験に関する共同研究契約を締結し、実用化に向けた取り組みを進めているほか、将来的には、人体の内部までスキャンして医療分野で活用したり、「思考や精神」の分野までをスキャンし、バーチャルで保存するという構想も持っているという。
謝氏は「ヴァーチャルの世界で、リアルの世界で解決できないことを解決し、よりいい世界を作っていく」と同社のミッションについて話す。