寺尾玄社長の強い意思でものづくり
BALMUDA Phoneは、同社の寺尾玄社長の強い意志でものづくりをしている。
寺尾社長は「iPhoneがスタンダードになりすぎてしまった」と語り、BALMUDA Phoneでは4.9インチのコンパクトな筐体を設計した。
確かにiPhoneはスタンダードであり、日本であれば4〜5割を占めるシェアを持っている。寺尾社長は「今のスマートフォンがあまりにも画一的になってきた。iPhoneとAndroidで種類はあれど、私にはほとんど同じに見える。スマートフォンの世界では選択の自由がない。今のスマートフォンの画一性はiPhoneのせいだ」だと主張する。だからこそ、バルミューダが新規参入するチャンスがある、というわけだ。
確かにiPhoneだけを見れば画一性があるといえる。デザインが大きく変わるのは2年に1回。4モデルが登場しても画面サイズは違えどデザインテイストは統一されている。いまだに画面上にはノッチがあり、カメラの出っ張り部分も目立つ。世界中で売ることを求められているため、iPhoneは保守的なデザインになっているといえる。
寺尾社長はiPhoneに飽きが来て、「だったら、面白いスマートフォンを自分で作ってやろう」ということでBALMUDA Phoneの開発に着手したのだろう。確かに個人の信念だけでスマートフォンを作れれば、世間にはない見た目、ユーザー体験が得られる画期的な製品ができる可能性が高い。
いま、ほとんどのメーカーは市場調査をして、「持ちやすいデザイン」「欲しがるデザイン」「買ってくれる本体カラー」などを調べまくっている。結果、売れ筋になるスマートフォンはどれも似たようなデザインになりやすい。
バルミューダは市場調査をしない会社らしいが、むしろそういった世間の一般的な声は一切無視し、寺尾社長がやりたいようにすれば、個性的なスマートフォンになったはずだ。
この連載の記事
-
第217回
トピックス
シャオミ台数急増 理由は安くても品質に自信大 -
第216回
トピックス
総務省の“アップルつぶし”か スマホ下取り価格規制 -
第215回
トピックス
クアルコム、経済圏拡大に“邪魔者” アームとの対立深まる -
第214回
トピックス
ドコモよりauとソフトバンクの体感品質が上がっている事実 -
第213回
トピックス
総務省がソフトバンクを刺しに来た? もう割引規制なんて撤廃すべきだ -
第212回
トピックス
「折りたたみスマホ」いまだに低調 欲しいと思える「何か」が足りない -
第211回
トピックス
KDDIローソン、狙いは“学生” 「無料ギガ」と「吊るし」でアピール -
第210回
iPhone
アップル「iPhone 16」シリーズ、オススメはこの2つ -
第209回
トピックス
スマホがどこでも買える今、ソフトバンクの“英断”は理にかなっている -
第208回
トピックス
通信品質の低下が指摘されるドコモ、大規模イベントで驚きの対策 -
第207回
トピックス
楽天モバイル好調のワケ 「三木谷キャンペーン」が金脈に - この連載の一覧へ