少子高齢化の進行とともに、核家族やおひとり様の老後が進んでいる。加えて昨今のようにコロナ禍で医療の逼迫が続き、自宅療養を余儀なくされる人が増加すると、従来は優先度の低かったテクノロジーを活用した超個人的な「見守り」スタイルを先行して見直すことも必要になってくるだろう。
すでに歴史のあるネット社会ではあるが、長い間テクノロジーによる遠隔見守りがなかなか浸透してこなかった理由は、いくつかあると思われる。先進の遠隔見守り機器だと言われ、サービスの先頭を走って来た機器にスマホをビューワーとして登場してきたインターネットP2Pカメラがある。
しかしペットは別にして、多くの人は老若男女を問わずカメラによって日常を覗かれることには、違和感や不快感があるのだろう。また、「Wi-Fi通信環境のあること」が大前提であり、簡単になったとは言え設定作業そのものにもまだまだ面倒さが残り、動作の不安定さも見守りには気にかかる要素だ。
最終的には、昨今国内の携帯キャリアが力を入れている5Gホームルーターのように、好きな場所に置いてコンセントさえ差せばすぐに機能するというのが理想の環境だろう。まだ少し理想には時間が必要だろうが、P2Pカメラメーカーの製品も新しい環境に合わせて日々進化してくるだろう。
今回ご紹介するのは、コスパの高いP2PカメラであるATOM Camの後づけオプション商品として提供されている、「ATOM Sensor」(アトムセンサー)と呼ばれるスマートセンサーのパッケージ商品だ。クラウドサーバなどの定額経費が不要で、個人ユーザーにとっては財布に優しい商品でうれしい。
同梱品は、ATOM Camの背面に取り付け各センサーの情報を集約して、内容をクラウドサービスに通知する「ATOMドングル」と「モーション検知センサー」、「開閉センサー」が2個、そしてクイックスタートガイドとシンプルだ。
筆者はすでにATOM Camをスマホをモニター画面として、ペットの遠隔見守りや自室管理カメラとしてデスク上で使用中だ。なので新しくATOMスマートホームアプリを導入することなく、導入済みのアプリに今回から加わる新しい4つのデバイスを加えることになる。
先ずはATOMドングルをATOM Camの背面にあるUSB Type-Aポートに挿入し、アプリで「デバイスの追加」を選択、「ATOM ドングル」「ATOM 開閉センサー」「ATOM モーションセンサー」の順に追加と設定をする。導入設定が終了すればアプリのメインメニューのすべてのデバイス頁にATOM Camを含むすべてのセンサーがリスト表示される。
今回は遠隔見守りを最終目的として、開閉センサーの活用をご紹介する。一般的に開閉センサーは、防犯の目的で引き違い窓や玄関ドア、勝手口などに取り付け、窓やドアが開放された時、開閉センサーの2つの部分があらかじめ決められた一定距離以上離れたことを感知してATOMドングルに開放通知を送るモノだ。
実際に、今回は通知センサーの2つのパーツを引き離して、どの程度両者が離れた場合に通知のアクションが発生するのか試してみた。当初、弱い磁力でくっついた開閉センサーの2つのパーツを3cm程度引き離してみたが「開放」として検知しない。4cmほど引き離すと「開放」と検知され、その状態がスマホ上のアプリにもビジュアルで表示されてきた。
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