ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第629回
Intel Architecture Day 2021で発表された11のテーマ インテル CPUロードマップ
2021年08月23日 12時00分更新
Sapphire Rapids
Sapphire Rapids、連載586回で推定図を紹介したが、構成的にはこれとあまり変わらないものが出てきた。
現時点でコア数などは不明のままだが、それぞれのダイにコアとメモリーコントローラー、UPI/PCIe、それとアクセラレーターが搭載される格好になる。
コアそのものはP-Coreだが、Alder LakeはL2(ML:Mid Level)キャッシュが1.25MBなのに対してSapphire Rapidsは2MBに増量されているほか、大きな違いとしてAVX512が実装されている。
その他特徴として、AMXを含むアクセラレーター拡張機能(AiA:Accelerator interface Architecture)なるものが実装され、またAVX512はFP16がサポートされるなど、いくつかのサーバー向け拡張機能が有効化されている。
Sapphire Rapidsではまた、AMX以外にIPU(Infrastructure Processing Unit)も実装されている。IPUは今年6月に発表されたもので、現時点で具体的な話は出てきていないのだが、これをSapphire Rapidsに搭載すると、定型処理に関してCPUからオフロードすることで、CPUをメインの処理により専念させられる。
I/Fとしては、UPIが4組とPCIe 5.0/CXL 1.1が実装されることが発表された。またメモリーコントローラーはダイあたり2chのDDRなのは想定通り。HBMに関してはメモリーコントローラーとは別の場所につながっているが、これは単にこれは図版の問題であって、実際はメモリーコントローラーにつながっているものと考えられる。
なお、連載623回で、Knights LandingではMCDRAMとDDR3の組み合わせに3種類のモードがあることを説明したが、Sapphire RapidsではHybrid Modeは省かれ、Flat ModeとCacing Modeの2種類だけが提供されるそうだ。
MCDRAMのモード | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Cache Mode | DDR4メモリーのキャッシュとして使う | |||||
Flat Mode | MCDRAMもメモリーの一部として扱う | |||||
Hybrid Mode | MCDRAMの一部をキャッシュに割り当て、残りをメモリーの一部として扱う |
この連載の記事
-
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第800回
PC
プロセッサーから直接イーサネット信号を出せるBroadcomのCPO Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第799回
PC
世界最速に躍り出たスパコンEl Capitanはどうやって性能を改善したのか? 周波数は変えずにあるものを落とす -
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ