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魅惑の軽スポーツ「ホンダ・S660」で遊ぼう第20回

柔よく剛を制す「S660用Moduloホイール」は快適快速

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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ホイールは買ってから気づくことがいっぱい

 筆者もModuloホイールの話は、専門媒体の記事を見て知っていました。確かに気になっていました。ホイールは試してから購入することはできませんので、記事を読むか、カタログに書かれている重量や見た目以外に判断する情報がないのが実情。それゆえスペック至上主義の筆者的に「いくら土屋さんがイイといっても、軽い方がイイんじゃないの?」と考えるわけです。軽さを求めるなら、自分の体重を減らした方がいいのですが、そこには目を瞑ることにしました。

BBSのRE-L2を履く筆者のS660

 よって「軽くて高剛性こそ正義」「ブランド第一主義」から、BBS社RE-L2というホイールを選択。その中でも、ダイヤカット仕上げという表面が虹色に輝くモデルを選択しました。BBSホイールは、高級車に数多く採用されている孤高のブランド。その3文字は高品位ホイールのエンブレムで、BBSなら間違いナシ! そう思い20万円以上のお金を支払いました。

 気になるのは鍛造ホイールの効果。純正装着ホイールと比べて、明らかにクイックなハンドリングとなったほか、加減速が鋭くなった印象。見た目のカッコよさと相まって、さすが世界のBBSと悦に浸ったわけです。乗り心地はというと、純正ホイールと同等か、少し跳ねるように感じへと変化。明らかに異なるのは高速道路で、つなぎ目を乗り越えた時に強い衝撃に襲われ、直進安定性も落ちたようにも。でもこれはきっと錯覚。だってBBS。悪くなるハズがありません。といいながら、空気圧を下げて乗り心地改善に努めたり……。

多スポークは洗うのが大変!

 そんなBBSホイールなのですが、使っていくうちに「ダイヤカットは綺麗な時はカッコイイけれど、汚くなるとみっともない」という現実に直面しました。つまり頻繁に洗車しキラキラを維持しなければならないのです。ただでさえ洗車頻度が多くなった上に、スポークが14本もあるため面倒このうえナシ。1本1本スポンジで磨くのですが、中腰の姿勢は年を取るとシンドイのです。もちろん綺麗になった時は達成感がハンパないのですが、雨が降るたびに汚れるものですからイライラ。さらに、縁石にひっかけてガリってしまい意気消沈です。

 ちなみにBBSは保証に入っていれば、ホイール破損時、定価の半額で交換できるのですが、ちょっとガリった程度で交換するなら、もっとガリガリになってからでもいいかなとも。こうして次第に心は離れていき、洗車の頻度も少なくなり、今では細かいことは気にせず乗っています。

 ホイールを購入される方は、見た目はもちろんですが、手入れのことも考えて検討されることを強くオススメします。筆者がもしホイールを買うとしたら、スポーク本数の少ない黒色のモデルにするでしょう。黒ならガリってもマジックで塗れば本人しかわからないでしょうし。

ホイール交換はカンタンだけど
手順とトルク管理には気を付けよう

筆者手持ちの工具。上はトルクレンチ、下は十字レンチで、いずれもTONE製

 十字レンチとトルクレンチ、ジャッキを用意し、タイヤを取り外します。筆者の十字レンチとトルクレンチは、モータースポーツ会場で見かけるTONEのブースで手に入れたもの。これが通販などよりお求めやすいプライスだった記憶があります。トルクレンチは自分で数値設定できるものもありますが、値を間違える自信しかないので、あらかじめHonda規定の108N・mに設定されているプリセットタイプを購入しました。ちなみにホイールナットの径ですが、Moduloは19mm、BBSは21mmです。

ホイールナットを緩める筆者。十字レンチを使うより、テコの原理ゆえか、トルクレンチの方が緩みやすいようだ

ジャッキで車体を持ち上げる筆者

十字レンチを使ってホイールナットを外す筆者

ホイールを外す筆者。これが凄く硬かったりする……

BBSホイールとModuloホイールを並べた様子

BBSホイールの裏側から見た様子。スポーク本数や細さなどが違うので一概には言えないが、リムが太いことがわかる

 作業そのものはカンタンで、どこかピットクルーになった気分です。気を付けることは、ホイールナットを締め付ける際、対角線で作業する程度でしょうか。

 手で持ったところ、具体的な数字は申し上げられないのですが明らかにBBSの方が軽量。街乗りで、ホイール重量や剛性の違いを体感できるのでしょうか? ホンダアクセスの広報さんは「サーキット走行など極限状態でないと違いが出ないかもしれませんね」との見解。はたして?

街乗りでわかる乗り味。柔よく剛を制す

筆者のS660にModuloのホイールを装着!

 街乗りからして全然違うではありませんか。荒れた路面や高速道路のつなぎ目といったところで、体に伝わる振動が、角が取れたかのような穏やかさで、実に乗りやすい方向へと変化。この角が取れた感覚は、S660 Modulo Xの質感に酷似しています。もっとも、S660 Modulo XにMR-R01が採用されているので当たり前といえば当たり前なのですが、今まで足の良さは「純正採用のサスペンション」に依るものとばかり思っていたのですが、ホイールで作られていたという現実に驚くばかり。

 ということは、MR-R01に他社車高調を入れて、減衰セッティングをしたら近づけるのでは? などとよからぬことが頭に浮かぶわけでして。幸い筆者のS660にはHKSの車高調を入れているので、減衰力をいじって近づくかと実験。もちろんというか残念ながら、そう簡単な話ではありませんでした……。

MR-R01を観察すると、1本のボルトから2本のスポークへ均等に力が加わる構造であることがわかる

 MR-R01の良いところは、「角が取れた乗り味」により、単に乗り心地がよくなるばかりではなく「ギャップが怖くない」というところ。知らない道だろうが何だろうが、アクセル全開で突っ込める気がするのです。なるほど、土屋圭市さんが「Hot Version」で「しなやか」とか言っていた意味を理解した次第。

 さらにロードノイズも低減されているようです。乗り心地の面と併せて誤解を恐れずに申し上げるならば、コンフォータブルなホイールといえそう。なにより乗車後の疲労度が大幅に低減されているではありませんか。ホイールの重たさゆえか、直進安定性にも秀でているようで、高速道路の巡行にピッタリ。つまりロングツーリングにModuloホイールは適していると言えそうです。

 このように、「柔よく剛を制す」とはModuloホイールのためにある言葉、と声を大にして言いたくなるほどのデキの良さで、まさに目からウロコ。この柔よく剛を制したホイールを筆者は心底欲しくて仕方ありません。実に「重欲、業を制す」と、自身の欲深さを反省しています。

BBSホイールに戻す筆者

 その後、軽量高剛性のBBSホイールに戻したのですが、こちらは「よく転がるホイール」と表現できそう。軽量ゆえにクイックな挙動は「楽しい」のひと言で、キビキビとしたドライビングはたいそう魅力的。また加減速は明らかにBBSに軍配が上がり、Moduloホイールよりもレイトブレーキングを楽しめますし、コーナー脱出後の加速も速い印象。なるほどホイールの軽さというのは、このような運動性能で違いが出るのかと改めて感じました。

 ただ、繰り返しになりますが、街乗りを考えると硬質と言わざるを得ず、サーキットで楽しむならBBS、普段乗りはModuloホイールと、走りのステージに分けてホイールを交換したいというのが本音です。となるとタイヤも買わないと……。

【まとめ】専用設計に偽りナシ!

S660 Modulo Xの乗り味の良さは、ホイールが大きく貢献しているかも?

 従来とは異なる考えで作られたS660用Moduloホイール。「ホイールでここまで変わるの?」という土屋圭市さんの言葉に嘘ではありませんでした。疑って申し訳ございません。そして毎日乗られる方ほど、S660用Moduloホイールが生み出すしなやかな乗り味と、街乗りでも安心して踏めることに魅力を感じるハズ。ほぼ毎日S660に乗る筆者としては、このホイールが是が非でも欲しい!

 このように、専用設計の強みを強く感じたModuloホイール。残念ながらホイールの試乗というのは難しいのですが、「もう少しS660の乗り心地をよくしたい」「Modulo Xの乗り味が好きだけれど、お金が……」という方は、試す価値アリですよ!

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