豊田章男社長がGRヤリス開発秘話からVR同乗走行まで活躍した「GR YARIS ONLINE FES」

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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 トヨタは16日、YouTubeライブにて今秋から販売開始したスポーツカー「GRヤリス」のオンラインファンミーティング「GR YARIS ONLINE FES」を配信した。

GRヤリス

 GRヤリスは、セリカGT-FOUR以来約20年ぶりとなる4WDスポーツカー。世界ラリー選手権(WRC)に参戦するレーシングカー「ヤリスWRC」の血を受け継いだ、豊田章男社長肝いりの、開発から生産まですべて内製で行なったスポーツカーだ。

 ライブ配信では、レース中継ではおなじみの井澤エイミーさんを司会に、TGRアンバサダーの脇坂寿一さん、開発を担当したプロドライバーの石浦選手、大島選手、GAZOO Racing Company(President)の佐藤恒治さんらが登壇した。

豊田章男社長(左)と話をするMCの井澤エイミー(中央)と脇坂寿一さん

第一部では開発秘話を社長が披露

 二部で構成された「GR YARIS ONLINE FES」の第一部では、豊田章男社長とオンラインでつないで、ルーキーレーシングのいちドライバー「モリゾウ選手」としてGRヤリスのステアリングを握った「ピレリスーパー耐久シリーズ2020開幕戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」を振り返りながら、GRヤリスの目指すところについて熱いトークが繰り広げられた。

 その中で豊田章男社長は自らレースに参戦する意義について「トヨタの社長である私がルーキーレーシングのドライバーである意義は大きいと思います。クルマを直すとき、以前からプロドライバーに関わってもらいましたけれど、彼らはメーカーに忖度をするんですよ。だから僕が現場に足を運び、話を聞いて、エンジニアに文句を言うんです。会社のエンジニアも僕の話なら聞いてくれる。これをトヨタのクルマづくりの武器として使わない手はないなと思いました」と説明。一方、エンジニア側は「社長があれほど言うんだから、やってやろうじゃないか」という声が高まったという。

 話はGRヤリスの開発方法についても説明。かなりの初期段階からプロドライバーに参加させ、徹底的にダメ出しをしたという。「通常、クルマができ上がって修正できないような状態で乗せてもらうんです。ですから気になったところを言ってもどうせ治らないだろうなと思っていました。ですが、今回は最初からしっかりと文句を言って、次に乗った時に直ってなかったらさらに文句を言うことができました」とのこと。

 さらに石浦選手と大橋選手はプロドライバーとして初となるトヨタの商品化決定会議に参加したことを告白。「最初は偉い人から渡された台本をしっかり覚えて、それを会議の場で二人で発表しました。ですがその後、社長から『折角だから好きな事を言え』と言われて(笑)。あとは頭の中が真っ白でしたね」と当時を振り返りながらも、GRヤリスが今までのトヨタ車とは異なるプロセスで作られたことを改めて強調した。

エンジンはレーシングエンジンさながらに、ピストンやコンロッドなどを徹底的にバランスを取りながら組み立てられる

 豊田章男社長も「GRヤリスの開発、生産、販売という事例は、今後のトヨタにとって大きな意味をもつ。それを継続するかはGRファクトリーのプレジデントである佐藤さんの仕事だ」と明言。佐藤さんも「責任重大ですね。画面越しでこういう話をいただくとは思いませんでした」と笑いながらも、「僕は今までレクサスに関わっていたのですが、レクサスの物づくりはクルマの全体観で見るのに対し、GRファクトリーは走りに特化したモノづくりをする。しかも徹底的に。生産が精度高く追い込んでくれるから、開発の仕方も変わる。ギリギリまで攻めることができる」と語った。

第二部はVRでヤリスを駆る章男社長登場

 第二部では、未整地の路面を豊田章男社長が運転するGRヤリスに同乗体験できるVR映像「VRヤリス With モリゾウ」を初公開。動画は華麗なハンドルさばきと巧みなサイドブレーキを多用しながら、ユニークなコメントをするのだが、石浦選手は「正直、四駆のグラベルでは、自分よりもモリゾウ選手の方が速いんですよ。同じコースを走ったら自分6秒落ちでしたし」というと「僕は最後は1秒落ちまで頑張りましたけれど(笑)それにしても、喋りながらだなんて、僕にはできませんよ」と大橋選手は、ドライバーとしてのモリゾウを称賛。

豊田章男社長が運転するGRヤリスの車載映像

 その後、エンジニアによるGRヤリス解説へと移り、先日のスーパー耐久シリーズで冷却に問題が出たことから、アンダーパネルを新開発。GRパーツで販売していくことなども発表された。脇坂氏も「生産しているのに、まだテストして、まだ開発をしているんですよ」と半ばあきれ顔であった。

 そんなGRヤリスだが、本当に速いのか? という話になり、石浦選手は「購入したそのままの状態で、筑波サーキットTC2000を1分5秒台が何度でも出る」とポロリ。ちょっと分かりづらいかもしれないが、ニュルブルクリンクFF市販車最速を誇るメガーヌR.S.トロフィーR(500台限定、689万円)が1分4秒台であることからすると、かなり驚異的な速さといえるのではないだろうか。

 当日の視聴者数は約9000人。コメント欄にはGRヤリスはもちろんのこと、トヨタに期待する発言が多かった。GRヤリスは長くて約9ヵ月待ちだという。トヨタ渾身のスポーツカーを街で見かける日まで、心待ちにしよう。なお、YouTubeではオンラインフェスのアーカイブが視聴が可能だ。

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