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スタートアップ×知財コミュニティイベント by IP BASE in 大阪レポート

海外展開に向けたスタートアップと知財戦略

2019年12月12日 17時00分更新

文● BookLOUD 根本 編集●ASCII STARTUP 撮影● 高橋智

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「海外展開の心得」~米国進出には特許紛争対策が必須~

 第1部後半では、クオンタムバイオシステムズ(以下クオンタム社)代表取締役社長 本蔵 俊彦氏から、米国に進出した企業が必ず巻き込まれるであろう訴訟問題について、実体験を含めて取り組みの紹介がなされた。

クオンタムバイオシステムズ 代表取締役社長 本蔵 俊彦氏

 クオンタム社は2013年に立ち上げられたベンチャー企業で、大阪大学の知財を活用して遺伝子の検査を行う装置DNAシーケンサーの開発を行っている。大阪にもオフィスがあるが、設立1年後にはシリコンバレーにオフィスを作り、15名程度の社員を雇用している。

 本蔵氏は「事業というものはスポーツに似ていると思っている。勝負に勝つには、強いチームを作らなくてはいけない。それが基本中の基本。しかし日本にはDNAシーケンサーを開発した経験者がほとんどいない。だからいるところに行った。本気で勝つためには、海外進出を視野に入れるべき。」「シリコンバレーに進出した直後は。私も(知財戦略を)どうやっていいかまったくわからなかった。なので、そういう経験のある専門家と一緒になって戦略を立てた。これが一番大事だと思う。経験者と一緒にやらなくてはいけない。」と言う。

 米国では一度手を結んだ企業同士が一転訴訟で敵同士になることも珍しくない。そして訴訟に巻き込まれると、大量のデータを開示しなくてはならない。例えば、過去のすべての電子メールデータを開示しなくてはいけなくなる。これには膨大な労力、コスト、時間がかかるため、それをいかに抑えるかを最初から考えておかなくてはいけない。クオンタム社では、一定の期間が経過した電子メールはすべてサーバーから削除するというルールを定めるとともに、知財に関する情報は電子メールではなく、必ず電話や電話会議など口頭でやり取りをしている。日本人は後々のトラブルを避けるために書面にしたがるが、彼らは逆にトラブルを避けるために書面に残さないようにしているのである。

 これらはすべてシリコンバレーの特許法律事務所から教えられたとのこと。だからこそスタートアップと仕事をしたことのある良い知財事務所と契約することが必須となる。問題はどうやってそういう知財の事務所を選ぶのかだが、コネクションなしで訪問しても断られることが多いだろう。そのためにクオンタム社はエンジニアを雇用する際にも、すでにどこかの知財事務所と密に仕事をした経験のあるエンジニアを雇っている。そしてその人の人脈ネットワークを通じて知財のところも整備できるということを分かったうえで採用しているとのことである。

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