オープンイノベーションの海を作りたい!豊洲の港から世界のプラットフォームに
提供: NTTデータ
世界16都市で開催される「第10回 豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」。様々なチャレンジテーマに対し、優れた技術やビジネスモデルを持ったベンチャー企業がオープンイノベーションを通じて社会課題の解決やビッグビジネスを目指すこのコンテストの選考会は、7月のポルトガルを皮切りに世界各地でスタート。2020年1月、東京でのグランドフィナーレでは、各都市の優勝チームが⼀堂に会し、新しいビジネスの創発を目指す。
そこで今回は、前回の第9回で全世界20都市の選考会に参加し、世界のベンチャー企業と大企業のマッチングによってオープンイノベーション活動を推進するNTTデータ オープンイノベーション事業創発室 室長の残間光太郎氏と、シリコンバレー発のベンチャーキャピタルとしてアクセラレーションプログラムをグローバルに展開しているPlug and Play Japan社 チーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)の内木遼氏に、本コンテストの意義や、それによって生まれるビジネスのことなどをお伺いした。なお、第10回グローバルオープンイノベーションコンテストのシリコンバレー大会の会場がPlug and Play Tech Center に決まるなど、両社は協力体制にある。
グランドフィナーレ終了5ヵ⽉で8割以上の事業化進⾏中
——まずは前回の様子をお伺いしたいのですが、20都市を周られるの大変でしたね。
残間:3日おきに違う都市にいるようなハードなスケジュールでした。
内木:残間さんはすべて行ったんですよね?
残間:ほとんどすべての会場に行きました。でも、そのことによって、現場のエコシステムの状況がよくわかりました。特に、ソリューションそのものも大事ですが、それよりも現場でその人に会うということが重要だと思いました。結局マンツーマンで直接その人と会わないと熱量や人柄などわからないことがたくさんありますからね。
——3月に行なわれたグランドフィナーレでは各都市の優勝者が来たわけですが、その後のビジネス化などの進捗はいかがでしょう。
残間:現在、各都市の優勝者20社のうち16社が事業化の検討に進んでいます。各都市での選考会で各都市の当社のビジネスリーダーが審査をして、優勝した企業を予め数ヵ月アクセラレーションした結果をグランドフィナーレで提案していただくという形で行ないましたので、マッチング率がとても高くなりました。そして、この9月にはビジネス化について発表するという案件が出てきているので、実質5ヵ月で実ビジネス化まで漕ぎ着けており、かなりのスピード感が出せていると思います。
内木:グランドフィナーレには各拠点の方も審査員として来ていたんですか?
残間:はい。それがもうひとつの大きなポイントで、現在、全世界に210ヵ所の拠点があるのですが、その中からCTOクラスの方々に来ていただきました。彼らは自分の拠点は見ているけど、世界中の拠点から勝ち上がってきた企業を生で見られる機会になります。そしてグランドフィナーレの後に、内部ワーキングを開催し、各々のCTOが20社のどこに興味があるかということを議論し、誰が主管となり誰とそれらを共有していくかという分担を決めました。例えばサンフランシスコの優勝企業はメキシコがビジネス化をしたいウィルが一番強かったので、メキシコが主管となりまずは検討を進め、その状況をその企業に興味のあるロンドンとマドリッドが共有していくというマトリクスを作って、世界規模でアクセラレーションしています。
——各地でベンチャーとマッチングしたパートナーはどのような方々ですか?
残間:その地に根ざしている方々と⼀緒にやらせていただいています。シリコンバレーでもPlug and Playさんに席を置かせていただいていますが、その地のイノベーションやベンチャー企業のことをよくわかっているベンチャーキャピタルやアクセラレーター、それから政府系組織ですね。各地ではイノベーションやアクセラレーションのやり方や進展度が全然違いますので、日本のやり方を押しつけるとうまくいかないケースも多々ありますので、そういう人たちと組んで、現地のやり方でということに気をつけています。
——現地のローカルパートナーは現地の方が管理されているのですか? それとも日本が統括してるんでしょうか。
残間:実は開催地には2つのパターンがあります。ひとつは我々の拠点があり、拠点と連携したイノベーションを創発するところ。もうひとつは、拠点はないのだけれども、非常に優秀で最先端のベンチャー企業が集まっている地域です。我々の拠点があるところはできるだけその拠点にまかせて、ないところは日本から行ってパートナーとやるという形にしています。ただ我々の拠点も慣れていないところがありますので、そういうところには最初に日本が入って、やり方やネットワークを引き継がせるという感じです。