2019年7月23日、NVIDIAの新ハイエンドGPU「GeForce RTX 2080 SUPER」の販売がワールドワイドでスタートした。7月9日に発売が始まった「GeForce RTX 2070 SUPER」及び「GeForce RTX 2060 SUPER」の投入に伴い、RTX 2080とRTX 2070がEOL(End of Life:生産終了)となったが、今回RTX 2080 SUPERはRTX 2080より上、RTX 2080 Tiより下のゾーンをカバーする製品だ。
国内販売価格は原稿執筆時点では明らかになっていないが、NVIDIA直販サイトにおけるFounders Edition(以降、FEと略)の価格は699ドルと、RTX 2080 FEの価格をそのまま継承している。
今回もRTX 2080 SUPER FEをテストする機会に恵まれた。RTX 20 SUPERシリーズはRTX 2070 SUPER及びRTX 2060 SUPERのレビュー記事で触れた通り、AMDのRDNAアーキテクチャーを採用した新GPU「Radeon RX 5700シリーズ」へのカウンターとして投入された製品だった。
しかし、残念ながら前回の記事では秘密保持契約の関係でRX 5700シリーズとの対決はできなかった。というわけで、今回RTX 20 SUPERシリーズの最後のピースが埋まったところで、改めてNVIDIAとAMDの最新GPUの力量を比較することにしたい。
フルスペックである以上に重要なメモリークロック上昇
RTX 20 SUPERシリーズは従来のRTX 20シリーズと同じTuringアーキテクチャーだが、同型番の無印よりもCUDAコア数が多く、クロックも高めに設定されている。これはRTX 2070 SUPERなどと共通だが、唯一RTX 2080 SUPER独自の特徴と言えるのがGDDR6の動作クロックだ。
従来の14Gbps相当から15.5Gbps相当に帯域が増しており、特に高解像度領域でのパフォーマンスアップが期待できる。RTX 2080からRTX 2080 SUPERはSM2基ぶん(128CUDAs)しか違いがないが、コアのクロック上昇と合わせてメモリーもクロックを引き上げることでSUPERなRTX 2080であることを印象づけた製品となっている。
また、クロックが上がったぶんTDPも25W増えて250Wとなった。FEの補助電源構成は8+6ピンだが、AICカードベンダーによる製品は8+8ピン(あるいはそれ以上)になる可能性もある。
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