アイブの無茶振りはウェアラブルで生かされる:
アップルはジョニー・アイブ退職後どう関わるのか
2019年07月09日 09時00分更新
●アイブの無茶振りはウェアラブルで生かされる
ジョナサン・アイブ氏は、新しい自分のクリエイティブ事務所「LoveFrom」を通じて、ひきつづきアップルに関わるとしています。アイブ氏がなぜアップルに関わりたいのか、これまでの文脈から考えてみると、「地球上でアップルにしかできないこと」が存在し、自分のデザインを実現させてくれる唯一の会社だ、と考えているからではないでしょうか。
そのターゲットとしてわかりやすいのが、ウェアラブルデバイスです。Apple Watchは、無闇に丸い文字盤を再現せず、ジョナサン・アイブ氏らしい、丸意味を帯びたシンプルな造形で、スマートウォッチならではのキャラクターを作り出すことに成功しました。
バッテリー持続時間は18時間で、アップルはこれを「1日」と言い張り続けていますが、本当は1週間に1度程度の充電にしてほしいというのはユーザーとしての筆者の願いでもあります。だからと言ってスマートフォンのように時計を大きくすれば問題が解決するわけではありません。そこに引き続き、技術的なチャレンジが存在しているのです。
ウェアラブルはそもそも、特にサイズというデザイン上の制約が強いカテゴリです。アイブ氏が考える「あるべき姿」は、テクノロジーの側面から見れば、相当厳しい要求ばかりが積み重なっていくことになるでしょう。地球上の企業で、その問題の解決に期待できるとしたら、アップルしかない。そのことをアイブ氏がもっともよく知っているはずです。
新会社を通じてアップルとの関わりを続ける理由は、アイブ氏が考えたとおりにデザインを書き起こすことができる「自由さ」を確保するためではないでしょうか。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ











