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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第51回

アイブの無茶振りはウェアラブルで生かされる:

アップルはジョニー・アイブ退職後どう関わるのか

2019年07月09日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●Apple Parkという巨大なプロトタイピング空間

 ジョナサン・アイブ氏は、Apple Parkについて非常に熱心に取り組んでいたと言います。

 ジョブズを引き続きいたティム・クックCEOは、アイブ氏に多くの報酬を与え、また仕事の環境の自由度を高めてきたと言われています。さらに、役員としての日々の業務から解放し、またApple Parkに専念する時間を作るため、アイブ氏の下にインダストリアルデザインとヒューマンインターフェイスデザインの役員を置きました。

 アイブ氏がApple Parkで取り組んだことは、アップル社内でデザインの迅速なプロトタイピング機能を確立することだった、とされています。(WSJ

 アップル社内には、おおよそ人が活動する場所のほとんどすべてが用意されていると考えています。通常のイベント取材は1000人収容の劇場、Steve Jobs Theaterで行なわれますが、筆者はApple Parkにある「それ以外の施設」を訪れたことがあります。

 あの巨大な宇宙船には、オフィスや会議室など、人々が働く環境があります。12あるセクションのロビーそれぞれにカフェがあり、1つのセクションは巨大な食堂となっています。

 その内側には、散歩道や池、果樹園があります。さらに、別の建物には、海辺のリゾートと勘違いしそうなフィットネスセンターがあり、あらゆるエクササイズから瞑想まですることができます。こうした広大なキャンパスの中は、シルバーの自転車や電気自動車のバギーで移動します。

 人が生活する上で触れうるほとんどの空間が用意されており、Apple Parkの中で秘密裏に、新しい製品を試すことができる、巨大プロトタイピング空間になっている、と解釈できます。

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