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石川温のPCスマホニュース解説 第41回

ねらいはインバウンドの訪日外国人:

KDDIが「ホテル」に出資した理由

2019年05月31日 09時00分更新

文● 石川温

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●訪日外国人がターゲット

 Hostyは訪日外国人をターゲットにしている。そのためグループ旅行に適したベッド数の多い部屋がメインとなっている。

 「部屋のコンセプトはすばり『インスタ映え』。そうしたデザインにすることで、宿泊客がSNSに投稿し、口コミで広がることを狙っている」(Hosty 山口博生社長)という。

 メインターゲットにしているのは「4人以上のグループや家族、さらに35歳以下の訪日外国人カップル。とにかくスマホを使い慣れている人」(山口社長)

Hosty 山口博生社長

 宿泊客はサイトで予約して、Googleマップを見ながらフロントのある建物に来てチェックインしてもらう。さらにGoogleマップで部屋のある商業ビルまで行き、チェックアウトも部屋にあるタブレットの画面をタッチしてもらう。すべてにおいてスマホやタブレットが必須となるため、スマホを使い慣れている人向けのホテルというわけだ。

 今回KDDIがHostyに出資したのは、東京進出に向けて「インバウンドの訪日外国人に対する接点が持てる」という点に期待しているからに他ならない。

 通信会社が訪日外国人に向けて、単にローミング回線として接続してもらったり、WiFiルーターを貸し出したところで、大きな儲けにはなりにくい。

 KDDIでは、宿泊予約サイトであるReluxを運営するLoco Partnersにも出資をしている。Reluxは現在、中国などの海外市場にも注力しており、今後はReluxでHostyのホテルを予約してもらうようにする。さらに宿泊客に対して、auスマートパスで提供しているようなクーポンを配布したり、ホテルの周辺でau Payに対応している飲食店を紹介する、といったことも視野に入れる。訪日外国人にau Payを使ってもらうことで、日本の現金に両替しなくても、旅行が楽しめるという世界観を実現できなくもないのだ。

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