AMDのMilanにNVIDIAの次世代GPUを組み合わせた
Pre-Exascaleシステムの「Perlmutter」
2017年にAuroraの位置付けが変わった結果として、ロードマップがどう変わったのか? というのが下の画像だ。
画像の出典は、2018年5月のBarbara Helland氏によるHigh Energy Physics Advisory Panel向けの“Advanced Scientific Computing Research”
まず2020年までに、Summitの後継システムであるNERSC-9がローレンス・バークレー国立研究所に設置される。こちらはEdisonのアップグレードという話になっており、Edisonが2019年5月13日に退役するのを受けて設置される。
このNERSC-9はPerlmutterという名前のシステムで、2020年末までにインストール、2021年に運用開始を想定している。
画像の出典は、Katie Antypas, Brian Austin, Brandon Cook氏によるNERSC User Group向けの“NERSC-9”
このPerlmutterがまたおもしろい構成で、AMDのMilan(つまり7nm EPYCの次の世代)にNVIDIAの次世代GPU(Volta-Next)を組み合わせたものになる。
画像の出典は、Katie Antypas, Brian Austin, Brandon Cook氏によるNERSC User Group向けの“NERSC-9”
Volta-nexttについての説明はないのだが、今年3月に行なわれたGTCの最終日にPerlmutterの説明が簡単にあった。
画像の出典は、GTC Silicon Valley 2019における“S9809,Perlmutter- A 2020 Pre-Exascale GPU-accelerated System for NERSC: Architecture and Application Performance Optimization”
ただNVIDIAとしてもまだVolta-nextの詳細は秘密にしておきたいようで、現時点では性能がどの程度かさっぱりわからない。
PerlmutterではおそらくVolta-next同士はNVLINK-3を使って接続され、これとMilan CPUやSlingshotとはPCIeでの接続になるものと思われる。NVLINK-3が実はCCIXと互換だといろいろ変わってくるが、そのあたりは今のところ不明だ。
ちなみに使い方もなかなかおもしろい。従来のXeon Phi用のコードはCPUのみのノード(およそ4000ノード)で処理するが、これがCori(30PF)と同程度であるという。
画像の出典は、Katie Antypas, Brian Austin, Brandon Cook氏によるNERSC User Group向けの“NERSC-9”
一方CPU/GPU混載ノードはおおむねCoriの2倍以上の処理性能となっており、全体としては90~100PF程度の性能になるものと思われる。

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