今回はHPの2回目、同社初のコンピューターシステムを開発するまで……と思っていたら、大きなニュースが入ってきたので、久々にスーパーコンピューターの話をしよう。
FrontierはAMDのEPYCおよび
Radeon Instinctがベース
米国時間の5月7日、米エネルギー省はオークリッジ国立研究所に2021年から納入されるFrontierというエクサスケールスパコンの第2弾をCrayと契約することを発表したが、このCrayが納入するシステムはAMDのEPYCおよびRadeon Instinctをベースとしたものになることが同時に明らかにされた。
まずは発表内容だが、エネルギー省とオークリッジ国立研究所、それとCrayは、2021年からオークリッジ国立研究所に設置を開始する、世界最高速のスパコンであるFrontierを共同で構築する契約を結んだ。
ターゲットとなる性能は1.5 EF(ExaFlops)で、契約の総額は6億ドルを超えるとしている。CrayはこのFrontierを、同社のShastaアーキテクチャーおよびSlingshotというインターコネクトで構築するが、このShastaというアーキテクチャーは複数種類のプロセッサー/GPUとインターコネクトを許容する構成になっている。
そして今回Crayは、AMDのカスタムEPYCチップとRadeon InstinctをこのShastaに組み合わせるという選択をした。

この連載の記事
- 第610回 Ice Lake-SPが発表、前世代より大幅に性能が向上したというが…… インテル CPUロードマップ
- 第609回 市場投入が早すぎたAdaptivaのEpiphany AIプロセッサーの昨今
- 第608回 第3世代EPYCとThreadripper Proで猛攻をかけるAMD AMD CPUロードマップ
- 第607回 Rocket Lakeが14nmプロセスを採用した本当の理由 インテル CPUロードマップ
- 第606回 Samsungがついにメモリー内にプロセッサーを統合 AIプロセッサーの昨今
- 第605回 Radeon RX 6700 XTのダイは6800 XTの6割程度の大きさ AMD GPUロードマップ
- 第604回 累計1000万個の出荷を記録したvideantis AIプロセッサーの昨今
- 第603回 チップ売りからソリューションに切り替えたETA Compute AIプロセッサーの昨今
- 第602回 デジタル信号処理の市場で生き残ったCEVA AIプロセッサーの昨今
- 第601回 高性能から汎用向けにシフトしたArmのEthos AIプロセッサーの昨今
- 第600回 CezanneはRenoirをZen 3に置き換えただけでなくあちこち再設計されている AMD CPUロードマップ
- この連載の一覧へ