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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第510回

世界最高速スパコンFrontierがAMD製CPU/GPUを採用 スーパーコンピューターの系譜

2019年05月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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Frontierは
Exascale Computing Projectの一環

 いきなりFrontierといっても「?」だと思うので、まずは背景から説明しよう。連載435回で、インテルのKnights Hillの開発中止に絡めてECP(Exascale Computing Project)が2016年あたりから動き始めている、という話をした。インテル/Crayが契約したAuroraも、今回のFrontierも、ECPのプログラムに沿ったシステムである。

 ちなみにECPはエネルギー省の中の科学部米国家核安全保障局の共同プロジェクトというもので、その意味ではASCI/ASCと似た性格のものではある。

 ただASCI/ASCの時ほど核関連の話は前面には出てきておらず、むしろ科学や最近ではAIが前面に打ち出されているのはやはり時流であろうか?

 さてECPが立ち上がった直後のロードマップは下の画像のとおりであった。

エネルギー省の2016年9月時点におけるExaFlopsマシンのロードマップ

 米国立エネルギー研究科学計算センターにEdison、オークリッジ国立研究所の電算室にTitan、アルゴンヌ国立研究所の電算室にMiraという3つのシステムが稼働しており、これらはいずれも10PF(PetaFlops)以下のシステムである。

 これに続き、米国立エネルギー研究科学計算センターには30PFのCoriが2016年中に、オークリッジ国立研究所の電算室にはSummitが2017~2018年に入り、アルゴンヌ国立研究所の電算室にはソフトウェア開発用のTheta(8.5PF)が2016年中に導入、Aurora(180PF)が2018~2019年に導入される予定であった。

 このうちCoriは問題なく稼働しているし、オークリッジ国立研究所のSummitも順調に稼働中だ。

 そしてAuroraの露払いを務めるはずだったThetaも問題なく稼働しているのだが、肝心のAuroraがKnights Hillの開発中止で2021年に設置開始に延びた、という話は連載435回で説明したとおりである。

Auroraは2021年後半にインストールが始まり、2022年末に検収が終わる予定になった

 あおりを喰らってローレンス・リバモア国立研究所のCoralがどこかに消えてしまったわけだが、次ページの画像に出てくるEl CaptainはCoral-2(第2世代のCoral)という位置づけにある。ちなみに6億ドルほどの規模で、2021~2023年あたりの設置を予定するシステムとして復活した形だ。

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