超高齢社会の日本だからこそできるインバウンドサービス
第2回かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)デモデイ
「“みちびき”を活用した交通安全サービス」ジェネクスト
ジェネクストのプロジェクトは、サービスとしてはリリースしており、準天頂衛星システム「みちびき」を利用して、位置情報をモバイル通信でサーバーへ転送。地図情報と道路制限情報と照らし合わせることで、道交法違反の見える化を可能にしている。
たとえば、運送業などの従業員がこのシステムを使うことで、管理者が運転状況を把握できる。ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどを搭載することで、急発進や急加速のない運転をしていたとしても、それが安全運転なのかは把握できない。交通違反をしない運転をするほうが、事故の鑑定士からすると、より効果がでる上、保険料を億単位で削減した企業もあるという。
KSAPでの成果は、AIによる過失割合を自動で算出するシステムを損保ジャパン日本興亜との共同開発することが決定。ドライブレコーダーなどの情報で位置を把握し、道交法違反をしているか否かを判定することで、過失割合を出すとしている。これにより、事故の平均処理日数を61日から1週間へ大幅短縮するとしている。
代表取締役の笠原 一氏は、今後の事業として「自動運転に向けた技術として、準天頂衛星システムの位置情報と映像によって、ミリ単位の精度で位置補正したり、道交法違反のビックデータ化や単眼カメラの距離センサーなどを提供していきたい」と語った。
「音楽スタジオウェブ予約プラットフォームの開発・運営」スタジオル
「日本人の約900万人が楽器を演奏し、70%の人が楽器を演奏したいと思っており、このギャップを解消することがスタジオルのミッション」だと語るのは、代表取締役の山地 瞭氏。楽器を演奏するためにいちばんのネックになるのが、練習場所の確保。これを解決しなければ、長続きしない。練習に最適なのは音楽スタジオだ。全国に3000店舗あるが、IT化はかなり遅れており、電話と紙で9割以上が管理されているという。
そこに目をつけたのが、スマホで空いているスタジオを見つけてサクッと予約できるスタジオルのソリューションだ。すでにサービスは始まっており、導入スタジオは62店舗。1店舗辺り月額9800円で、導入した店舗では売上が平均で7万円弱もアップしているという。
スタジオルの会員数も昨年の9月から2月現在で約2.4倍の2300人を突破。このことが評価され、今回のKSAPにより、日本政策金融公庫と横浜銀行から1500万円の資金を調達している。今後は、音楽スタジオ業界からの拡張戦略として、音楽教室の空きも視野に、それらを活用しユーザー間での音楽レッスンやイベントなどのマッチングプラットフォーム事業に進出したいと考えている。