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大手40代サラリーマンが体験した複業スタートアップの利点

5Roles~40代をどう過ごすか、悩んだ末に決めた大企業と起業の両立~

連載
アスキーエキスパート

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複業のメリット:個人としての人脈の多様化(=自己実現手段の多様化)

 まず、複業で両方の立場を持つことで、会社員だけやっていた頃とは比べ物にならないほど多様な人たちと交流できるようになりました。

 たとえば、NTTGroupのマネージャーとして平日昼間働いている時は、自社・他社含め上場企業の経営層やミドルマネージャーと連日お会いしてお話しする機会があります。私の場合はアライアンス全般を担当しているので、ベンチャー企業の方とも頻繁にお会いしており、自社のスタッフ部門とやりとりしながらプロジェクトを進めています。大企業に勤めていることで、名刺があれば門前払いされずにエスタブリッシュメントと呼ばれる企業の最前線の方々ともビジネスができる。

 週末や平日早朝、夜には、Nei-Kidとして同じ志を持つ人たちと活動しています。11月のイベントだけでも、小学生をプロドローンレーサーにするための企画を大学生ドローンレーサーの方と一緒にワイワイ議論したり、デザインシンキングでカレーを作る企画をハウス食品で企画や研究をしている方々と検討したり、プロ野球選手の駒田徳弘さんに小学校でオリパラ教育をしてもらうための企画を進めたり、週末のイベントでは小学生や中学生の友だちにも会ったりしています。

 結果として、小学生・中学生・高校生・大学生・20代・30代・40代・50代・60代、すべての層の人たちと日常的に触れ合う機会がある生活になっています。

 こういう多様な人たちと会って話すことは、本当に人生を豊かにするし、未来のために何かをつくろうとする生産的な付き合いができているので、自分がやりたい世界を目指す仲間が集まっている、という感覚があります。

 また当然、インプットが両方の活動からあるので、マーケットからの個人としての学びは倍速化します。NTTGroupで若年層向けの企画などを検討する時には、Nei-Kidで普段話している人たちがどんな風に友だちとコミュニケーションをとっているかなど思い浮かべます。70代の人たちが最近スマホを買って何に使っているかとか、数字には出てこない肌感覚が生活感を持ってわかるのは、意思決定するときの自信にもなります(もちろん過信は禁物ですが)。

複業のメリット:それぞれの立場の方を、真にリスペクトできる

 私の大企業内での現在のミッションは、自社とさまざまな企業の方々とのアライアンス全般をリードしWin-Winの関係を築いていくことですが、自らが事業を立ち上げる前と後では、ベンチャーの経営者や上場企業の創業者の方々へのリスペクトや心情に対する共感、立ち向かっている課題の困難さへの理解度が、まったく違うのを実感しています。

 以前から、出資先の取締役会などに出席してコメントする機会などはありましたが、そこで0→1を成し遂げてさらにスケールさせている起業家としての先輩方のお話を聞くたびに、心の底から「すごい」と感服します。以前からすごいとは思ってはいましたが、言わばなんとなくすごいな、と思っていただけで、その裏にある苦労や乗り越えてきた壁の高さを、実感として理解することができていなかった。協力関係を築いていくうえで、このリスペクトがあるかどうかは決定的に重要なものに感じています。

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