3ヵ月で14ヵ国を飛び回りイノベーション発掘、NTTデータのすごすぎるコンテスト
空港で寝袋、ロストバゲージ、長時間フライトによる腰痛も
提供: NTTデータ
あらゆる国で勃興するイノベーションに
いち早くアプローチすることが重要
なぜ、これだけの苦労をして、たくさんの国に足を運んで開催するのだろうか。海外開催というなら、シリコンバレー、ロンドン、シンガポールといういかにも先進的な都市だけでも十分ではないのか。しかし、そこには確固たるポリシーがあった。
色々な国や風土習慣、課題、アイディアなどが交わることによって、イノベーションが生まれると言われている。とはいえ、グローバルでやっているとか、シリコンバレーやイスラエルにも行ってます、と口で言うのは簡単だ。本当にイノベーションを作っていくには何が必要なのか。
「今は、世界中のあらゆる場所でイノベーションが勃興しています。ガスや水道はないのに携帯電話が使えるという地域も増えているのです。もう個人の手の中にテクノロジーが来るようになっていて、誰でも新しいアイディアをビジネスにできる時代になっているのです。そうすると、それをいかに早く見出し、現地の人たちと掛け合わせることができるか、ということがイノベーションを作る鍵になります。それが、5年間で20都市開催にまで規模が大きくなってきた理由です」(残間氏)
そして、スピードと同時に重要なのが、現地に「我々がどこまで深く入りこめるか」ということだと残間氏。だから、準備も含めて、各地には何度も足を運ぶ。さらに、NTTデータグループの拠点があったり、協業している連携会社がある場合は、そこを通じて深い関係性の構築にチャレンジしているそう。例えば、NTTデータは、カナダ・トロントの半官半民の大規模インキュベーション施設「MaRS」で日本企業としては初の会員となり、コンテスト開催を行っている。トロントといえば、北米で有名なイノベーティブな都市で、Googleがスマートシティーを作ろうと再開発を手がけていることでも知られる。
さらには、必ずしも日本でイノベーションを起こさなくてもいいという。実際、賞を獲得した企業の中には、「PAGO 46」のように日本では展開しにくいサービスも含まれている。
「他の国のスタートアップは、日本のコンテストには出るものの、日本市場が第一ではない、ということもよくあります。そのような企業を多数見てきた経験から、やはりその国々でアクセラレーションする仕掛けを作っていきたいと思いました。日本に呼ぶのは逆にもったいないな、という場合もあります。NTTデータは210都市以上に拠点を持っているため、現地のグループ会社を通じて現地で優勝した企業は現地で育てる体制を作っています」(残間氏)
例えば、スペイン、ポルトガルや中南米地域では、NTTデータグループきってのイノベーティブな企業・エヴェリスがコンテストをNTTデータと共に取り仕切り、受賞後のアクセラレーションも行うという。イタリアでは、NTTデータイタリアがCEO自ら重要顧客の幹部クラス数十人を招き、審査してもらい、ビジネスにつなげていこうとする。コンテストを入り口に世界的なネットワークが広がっている。
だから、もちろん日本の企業が海外に羽ばたきたいならば、その支援も可能だ。第8回コンテストで最優秀に輝いたグローバル・モビリティ・サービスとは、彼らのサービスの海外展開をNTTデータとタグで取り組んでいく予定だ。