前回、「α7II」がお買い得であるという話をした。フルサイズの撮像素子を持つデジカメが欲しいならお買い得だと思うが、逆にフルサイズ機のなにがいいのかわからない、という人も多いと思う。
今回はフルサイズ機で撮る写真は何がいいのか、解説していきたい。
背景が美しくボケる写真が撮れる
フルサイズ機の最大の特徴が素子サイズ。35mm判と同じ大きさの撮像素子は、レンズの焦点距離の表記そのままの撮影範囲が得られる。
普及機の一眼レフやミラーレス機が採用している撮像素子はAPS-Cサイズやフォーサーズサイズが多い。
APS-Cサイズは35mm判と比較してほぼ半分、フォーサーズではほぼ1/4ほどになる。撮像素子の面積が小さいということはその分、レンズの焦点距離が短くなってしまう。
35mm判で標準レンズと呼ばれるのは焦点距離50mmのレンズだが、APS-Cサイズ機で同じ画角で撮ろうとすると焦点距離は30mm前後になってしまう。フォーサーズ機では25mmだ。
当然ながら30mmや25mmといったレンズは基本的に広角レンズに分類されてしまう焦点距離で、その分ピントの合う範囲、被写界深度が深い。
そして、同じ絞り値で撮った場合に35mm判よりもピントの合う範囲が広くなる。
製品撮影や風景などで、できるだけ絞らずにピントを深くしたい場合にはかなり重宝するのだが、最近の写真の傾向として「いかに背景をぼかしやすいか」というのが重要視されている。
スマホやコンデジの写真に見慣れると背景が大きくぼけているだけでいい感じに思えてしまうのは仕方がなく、主要な被写体にピントが合っていて周りがボケていれば被写体が目立つし、余計な情報はボケて気にならなくなるのでパッと見でよく感じるのだ。
レンズ選びは結構重要!
フルサイズ機を使うなら、ぜひとも大いにボケる写真を撮ってみたい。大きくぼけさせるにはできるだけ絞りを開けて撮りたい。
それなら大口径のレンズがあったほうがいいということで、今回は標準域のズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」(希望小売価格は税別で27万8000円)と大口径中望遠レンズ「FE 85mm F1.4 GM」(同22万5000円)の2本で撮影をしてみた。
キットレンズでは開放値がF3.5だったりF5.6など手軽なものが多いが、フルサイズ素子を楽しむならぜひともレンズにもこだわっていただきたい。
FE 24-70mm F2.8 GMは24mmから70mmと常用しやすい焦点距離をカバーしつつも、ズーム全域で開放F値がF2.8と明るいのが特徴だ。
2本ともα用のレンズとしては代表的なもので、プロ用途でも問題なく使える。むしろ、価格が高いのが最大の問題でありハードルかもしれない。
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