メーカー各社が家電の最新技術を発表する展示会「CEATEC JAPAN 2016」が、10月4日から千葉・幕張メッセで開催。シャープが力を入れるテーマは「AIoT」だ。いまシャープはクラウドと機械学習を組み合わせた「考える家電」を作っているが、それを家全体に広げようというスマートホーム計画を打ち出す。
しかしスマートホームといわれても普通は家電や住宅設備を携帯電話のように数年で買い換えることはないし、買い換えるようなお金もない。そこでシャープが開発しているのは、インターネットにつながる音声操作の赤外線リモコンロボット「ホームアシスタント」。年明けの発表をめざしており価格は数万円台ということ。家電の利用履歴を家族単位でクラウドにため、情報を参照しながら動作する。
要はインターネットにつながる学習リモコンだが、今までシャープが自社製品に入れてきた学習機能を他社製品でも使えるようにしてしまうというのが面白い。たとえば日立のエアコン「白くまくん」のような他社製品を使うときであっても「今日は雨で肌寒いから除湿モードに設定しておくね」といった自動操作ができるようになるかもね〜という話で恐ろしい。いわばリモコンによる乗っ取りである。こいつが反乱を起こしたら怖いなとくだらないことを考えてしまった。
いわゆる人工知能系家電(あまり好きではない呼び方)は他社も開発しているのだが、シャープは目のつけどころがシャープであるため「消費者の暮らしを学ぶことで日々快適になる」だけでなく「かわいくしゃべったりして愛着がわく」ことにも力を入れている。かわいすぎるロボット携帯電話こと「ロボホン」を代表として、「黒執事」「銀河英雄伝説」とコラボレーションしたロボット掃除機ココロボなど、しゃべることにときめきをおぼえる製品が目立つ。今回登場の「ホームアシスタント」もころんとかわいいデザインで、あとは仕草と口調と声優さんである。
スマートホームという意味ではホームセキュリティや住宅設備もかかわるがシャープは作っていないので、防犯カメラ、防犯センサー、HEMSなどのメーカーとアライアンスを組んでいこうとしている。ちなみにパナソニックのホームセキュリティ「スマ@ホーム」システムは、防犯カメラや防犯センサーをJ-DECT規格の1.9GHz帯ネットワークでつないでから無線LANルーターにつなげるもの。シャープはDECTあるいはZigBeeのような家庭内近距離通信は採用しないのかと聞いてみたが「まだわからない。アライアンス次第」という回答にとどまった。
盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中。
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