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盛田 諒の「アスキー家電部」 第54回

シャープ、毛根が心配な人のドライヤー

2016年10月20日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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こんにちは。毛根が気になってきた盛田です

 わたしはお風呂を出たあとはタオルで髪をふくだけで自然乾燥にまかせており、奥さんから白い目で見られている。「はげるよ」と恐ろしいことも言われている。言い訳をするとお風呂に入るのは朝なので時間がないのだ。そうは言っても30歳も過ぎたことだしそろそろ頭皮にやさしくしてあげないと毛根が危機を迎えるという現実は把握しているので、どうしたもんかなーという人生を送っている。

 シャープが20日に発表した「プラズマクラスター スカルプエステ」はわたしを撃ち抜かんとばかりに速乾性と頭皮ケアに注力したドライヤーだった。

 従来機に比べ乾燥時間を約6割短縮したという速乾モードを備え、頭皮をうにょ~んとマッサージする樹脂製“かっさ”付きの上位機種も用意した。想定価格は上位機種2万5000円前後、通常機種2万円前後。10月27日発売だ。

上位機種IB-GX9K 想定価格2万5000円前後 かっさアタッチメント付き

通常機種IB-GP9 想定価格2万円前後

 新搭載の速乾機能「高速ダイナミック風」は、大量の風を勢いよく髪に当てて乾かす機能。濡れた髪が66℃以上になるとたんぱく質が分離して傷んでしまうため、髪が56~57℃程度になるようぬるめの風を当てているらしい。

 速度の秘訣は設計だ。高速飛行ができるアマツバメの形をファンに応用。空気抵抗をおさえて効率的に風を出せるようにした。またヒーターで温めて渦状になった風を筒部分で整え、まっすぐ勢いよく出るよう工夫しているという。非速乾モードに比べると風の音が大音量の高音になるのは仕方がないところか。

非速乾の従来機種

速乾の新機種

爆風だが髪の温度は56~57℃におさえられていた

新機種はコイルから吹出口までの距離を長くとり、渦状になった風を整えている。写真右の旧機種ではコイルが見えるが、写真左の新機種では見えない

 そのほか運転モードには、温風と冷風を交互に出すことで髪のつやを出すという美髪系機能「ビューティモード」も新搭載している。

 上位機種だけに付いてくる樹脂製の「かっさアタッチメント」は、髪を風でブローしつつ、樹脂製の“指”をうにょ~んと動かして頭皮をマッサージするもの。アタッチメントはドライヤー先端に取りつけて使う。アタッチメント使用時は磁気センサーが反応して、風の温度を頭皮ケア用の50℃に自動調整する。

 アタッチメントを使うときは頭のてっぺんに向かって髪をかきあげるようなイメージでマッサージをする。ぞわぞわ鳥肌が立つような得もいわれぬ快感があり、慣れるとクセになりそうだ。いわゆる頭皮マッサージャーのかっさより重いのでやや取りまわしが厄介だが、1回5分ほどと考えれば問題はない。

 なおアタッチメントは交換用部品として3000円ほどで販売するが、センサーによる温度調節が必要なので下位機種や従来製品には付けられない。

頭皮をうにょ~んとマッサージするかっさアタッチメント

アタッチメントは先端部に取りつける。磁気センサーになっていて取りつけると風の温度を50℃に自動調節

風をあてながら髪をかきあげるように頭頂に向けてマッサージする

かっさアタッチメント試作品。最初は金属製だったり、樹脂製でも形状が微妙に違ったりと試行錯誤をくりかえした

 また今までヘアドライヤーの消費者層は比較的高齢の女性が多かったが、今回はスカルプケアということで男性も意識してデザインや色にもこだわったそうだ。とくに使っているとき見えるお尻の部分がかっこよくなるよう工夫している。

 色味は通常機種IB-GP9はレッド系、パープル系、グリーン系、ゴールド系の4色。上位機種IB-GX9Kはブラック系の1色のみ。消費電力は1200W、最大風量は毎分約1.7立方メートル(ホット/ターボ運転時)。サイズは幅84×奥行き243×高さ209mm。質量は通常機種が約590g、上位機種が約595g。

 速乾と頭皮ケアに特化したドライヤーということもあるが、上位機種が見た目にかっこいいのは魅力だ。速乾時は音がでかいので会話がさえぎられていらつきそうなところが若干気になる。ちなみにわが家では静音ドライヤーを使っているのだが音が静かなだけに乾きづらい。あちらを立てればこちらが立たずだ。

 そういえばシャープは先日、同社独自のイオン発生技術「プラズマクラスター」による育毛実験について調査結果を発表していたが、今回のヘアドライヤーに育毛機能はついていなかった。

使用時に背面がかっこよく見えるようにデザインを工夫した(IB-GX9K)


お詫びと訂正:初出時、かっさアタッチメントの取り付け方式に誤りがありました。訂正をもってお詫びとさせていただきます。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味のカジメン。来年パパに進化する予定です。Facebookでおたより募集中

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