「改善・分析だけでは不十分」アプリ成長支援サービスReproはどう伸びた?
『Appleにサービスを売却する!』と意気込み、世界市場に挑む
海外展開に本気で取り組む
機能改善、サービス拡充を進めていく中で、創業者である平田氏、三木氏の意識も大きく変わったという。
「創業当時は、1、2年で、10億円くらいで企業売却できればいいよねと冗談半分に話していた。今は、総合的なサービスが提供できるようになって、企業価値はそれ以上になっている。海外でも評価されるようになって、『Appleにサービスを売却する!』という言葉が現実味を帯び始めている」
グローバルでのビジネスとなれば競合も多くなるが、「競合サービスの2歩先の機能を提供している状況であれば、どんなに資金的に余裕がある会社に対しても1年程度は時間的なアドバンテージがあるはず。これが実現できた段階で、米国に本格進出したいと考えている。ターゲットは2016年の後半」だと平田氏。Reproの海外展開は、大きく段階を上げるつもりだという。
「海外ではインフルエンサーとなり得るグロースハッカーのリストをすでに作成中で、どういうコミュニケーションを取っていくのか検討している。モバイルアプリのマーケティングオートメーション市場はグローバルに1.2兆円規模になるといわれているが、このうち少なくとも1%は今後2年間で獲得したい。現在、総合的なアプリ成長支援サービスはほかにはないため、可能性は十分あると思っている」
ユーザーが求めているものは、なかなか見えづらい。「それ、いいよね」という当初の期待の声に反して、実際のサービスが頓挫するケースはままある。ましてやビジネスの段階を上げていくなかで、求める姿とサービスを展開していくハンドリングはこれからより難しさを見せるだろう。
米国進出においても、「私自身が米国に常駐して、ユーザーの声を聞いて事業展開していかなければいけないと思っている」と平田氏。陣頭指揮をとるのも、これまでビジネスを伸ばしてきたのは自身がユーザーの声を聞き、不足していると思うサービス、機能を拡充してきたからだ。
「海外のユーザーを獲得するためには、良いものを作れば売れると考えているだけでは駄目」だと平田氏は話す。実際に国内のユーザーに対しては、営業だけにとどまらないグロースハックの社員教育まで請け負い、Reproを使ったことで成果が出るまできちんとフォローすることでユーザーを獲得してきた。
このやり方が米国で通用するのか。平田氏にとって新しいチャレンジが始まろうとしている。
●Repro株式会社
2014年4月設立。モバイルアプリ向けのアナリティクスツール『Repro(リプロ)』を提供。正式リリースは2015年4月。
2016年3月には、ジャフコ、VOYAGE VENTURES、個人投資家から総額3億円の第三者割当増資を実施したばかり。直近では本格的な海外挑戦に向けた準備も進めている。
社員数は2016年5月現在で16名。「世界最強のサービスを開発するため」のエンジニア採用には力を入れていくとのこと。