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かくれんぼ上手なにゃんこも探せる!忘れ物防止ガジェットWistikiがすごい

メイド・イン・フランスの機能全部盛りなおしゃれIoT開発スタートアップに聞いた

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 世界で話題を呼んでいる人気ガジェットが生まれたきっかけは、一匹の猫からだった。

 フランス生まれのおしゃれな忘れ物防止タグ『Wistiki』が話題だ。クラウドファンディングサイト『MotionGallery』ではすでに過去最高額の3100万円に達し(4月25日時点)、5月2日の締切までには日本における支援金最高額の3700万円に迫る勢いとなっている。これほどまでに人気を集めているのは、やはり財布や鍵やスマホなどあれこれをなくして、出がけにアワワとしている人が多いのだろうか? 

最新モデルの『Wistiki by Starck』シリーズ。4月に発売される薄型のスティック型『ヴォワラ!』のほか、カード型の『ホップラ!』と、ワイヤー付きの『アッハ!』の全3モデル。鍵などのアイテムだけでなく、ペットや子どもに付けて迷子札としても活用可能だ。

 ほかのタグとは異なるおしゃれさを持つだけでなく、完全防水で寿命も3年だという人気ガジェット。Wistikiの生みの親である開発者のリュサト3兄弟に、猫の秘話、もといWistiki誕生の秘密から人気の理由までをじっくり聞いてみた。

Wistikiの開発者でもあり、Wistiki社を経営している3兄弟。長男のブリュノは財務や経営、真ん中のテオは営業やマーケティング、末っ子のユーゴはエンジニアリングと、それぞれの得意分野を受け持っている。

Wistikiはかくれんぼ上手な猫探しが始まり!?

すべての始まりである猫の名はWistiki。かくれんぼの名人らしい。

――どうして『Wistiki』は猫の名前がついているのでしょうか。

 Wistikiのアイデアは、僕たちの飼い猫Wistikiがいつもどこかに隠れてしまい、探し回るのに大変な思いをしていたことから思いつきました。製品名にも付けたこの言葉は造語で、フランスで写真を撮るときに「ウィスティティ!」という言葉を、僕らの母が「ウィスティキ!」と言い間違えたのがきっかけでした。

――兄弟3人で会社を興すのは珍しいかと思うのですが、兄弟で経営するメリットはどんなところにありますか。

 Wistikiを起業した際、学生だった下の2人は学校を辞めて会社に入ることにしました。そのときはさすがに両親に心配されましたが……今となっては良い昔話です。

 兄弟で共通の夢に向けて一緒に取り組むことは、僕たちにとってはとても自然なことです。お互いのことがよくわかっているので信頼できますし、どんな困難な課題に直面しても血のつながった絆で乗り越えられる自信があります。Wistikiのようなスタートアップは成長のスピードが成功への大きなカギとなるため、これは重要なポイントだと思います。

ブリュノ、テオ、ユーゴのリュサト3兄弟によって創設されたWistikiのオフィス。壁には「the end of lost」の文字が。

最大100メートルまでの通信をBluetoothで実現

――Wistikiの仕組みについて、技術的、そしてデザイン的なこだわりがあればぜひ教えてください。

 まず、Wistikiの通信距離は100メートルですが、これは現在のBluetoothテクノロジーで実現可能な最大距離です。現在市場に出ているBluetoothトラッカーの通信範囲は30メートルないし50メートルが一般的なんです。『Wistiki by Starck』では小型化を目指しつつ、この100メートルという通信距離を実現するには技術的にかなり難しい部分がありました。

 また、デザイン面では、フランスを代表するクリエイターであるデザイナーのフィリップ・スタルク氏の要望で「電子回路の一部をデザインとして見せる」ということを実現させました。その上で、防水を完璧にするというのも苦労した点ですね。

フィリップ・スタルク氏のデザイン画。日本では、黄金に輝く泡をデザインした浅草の『アサヒビールスーパードライホール・フラムドール」のデザインで知られている。

――最初に出た2014年版の初期モデルはどんなスペックだったのでしょうか。

 初期モデルは2013年にクラウドファンディングを実施し、2014年に発売しました。スペックとしては、通信距離は遮るものがない場所で最大50メートル、電池は交換できますが寿命6カ月程度でした。防水加工はなく、呼出音は30デシベル程度でした。

――今夏に日本で発売される最新モデルでは、どのあたりを改良したのですか?

 日本での発売を予定している『Wistiki by Starck』は、上記をすべて改良しています。通信距離を最大100メートルにし、さらに電池寿命は最長3年と大幅に長くなりました。さらに防水加工もあり、音量も90デシベルになっています。

Wistikiの防水テスト。水中に沈めても、きちんと検知される。

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