iPhoneで落とし物すぐ見つかる 1年使える追跡タグMAMORIO 落とし物ドットコムが開発=モーニングピッチ
2015年01月17日 07時00分更新
注目スタートアップのビジネスモデルを分かりやすく紹介。マモリオ(MAMORIO)は、荷物にタグをつけておくとiPhoneで居場所が分かる「落とし物防止タグ」。3500円で約1年間使える。目指すはモノの紛失を解決する保険屋だ。
大事なカメラ、もうなくさない 写真:MAMORIO
警視庁によれば、日本では1年間に338万件の拾得届が受理されている。つまりは落とし物が届けられている。約54万枚の衣類、約35万本の傘、そして約30万個の財布。現金だけでもなんと76億円以上がどこかに忘れられてきている。落とし物を探すだけでビジネスになるほどの規模だ。
iPhoneの最新技術を使い、落とし物を見つけてしまおうという電子タグが「マモリオ」(MAMORIO)だ。タグをお守りのように荷物にさげるだけで紛失を防止する。落とし物のポータルサイト「落とし物ドットコム」増木大己代表が考案し、3500円で予約受付中。
「なぜこんなこと(紛失)が起きるのかといえば、なくした場所が分からないというだけ。なくす、をなくすため、追跡タグを開発した」(増木代表)
マモリオは幅34×奥行き18×厚さ3mmの小さなタグ。Bluetoothでアプリを入れたiPhoneとつながり、情報を送る。利用者がタグを失くしたくないものにつけておき、一定距離を離れるとスマートフォンにメッセージが届く。最後にあった場所(iPhoneが情報を取得した場所)を地図で表示することもできる。
肝は複数の利用者による「みんなでさがす」機能。アプリは、そばにある他人のタグからも情報を取得してクラウドに送る。バックグラウンドで処理するため、利用者が気づかないうちに他人のタグを見つける仕組みになっている。タグの有効距離は約30メートル。2200人の利用者が集まれば東京全域をカバーできるという。
マモリオはGPSのように高度な機能を持たず、基本的な情報を送るだけのシンプルな機構が強み。バッテリーは約10日間しか持たない警備会社セコムのGPS見守りサービス「ココセコム」に比べ、約1年間と長い。以前から法人向けの紛失サポートをしていたため、発見から回収までのノウハウもあるという。
「ただモノを売っておしまいということではなく、セコムやJAFのようなものを目指している」と増木代表。目標はIoT(モノのインターネット)時代に必要とされるモノの保険屋。自動車が故障したらJAFを呼ぶように、落とし物をしたらマモリオを呼ぶような世界を目指しているそうだ。

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