Windows 10搭載デバイスの出荷台数目標は、全世界で10億台
マイクロソフトは、Build 2015において、Windows 10搭載デバイスの出荷台数を、全世界で10億台にすると宣言した。ターゲットは、同社の会見年度で2018年度(2017年7月〜2018年6月)になる。
マイクロソフトが、新たなOSの具体的な普及目標を掲げるのはあまり例がない。
10億台に向けた鍵になるのは、UWPだ。これによって、AndroidやiOSのアプリのソースコードがWindows環境でも利用しやすくなること、また、Windowsプラットフォームでアプリを開発する開発者が増加することで、Windowsデバイスの販売にも弾みをつけようという考えだ。
ただ、見方を変えると、その目標は決して高いものではない。
現在、年間約3億台のWindowsデバイスが出荷されていることを考えると、それを捉えても、これまでの巡航速度のままで到達できる規模だ。Androidデバイスはすでに1年間で10億台以上が出荷されており、その実績からみても目標が低いようにみえる。
また現在、全世界では15億台のWindowsデバイスが利用されているとされているが、それと比べても10億台という数字は決して大きくはない。15億台の稼働実績の中では、様々なWindowsのバージョンが動作しているが、その多くを占めるWindows 7やWindows 8では、Windows 10に無償でアップデートできる。その点でも10億台への到達は難しいものではないだろう。
ただ、ここでマイクロソフトが訴えたかったのは、10億台のデバイスで、Windows 10という最新OSが稼働している環境をコミットするというものだ。これはAndroidやiOSのアプリを開発している開発者にとって、単純に10億台のターゲットが生まれるという計算になるからだ。
「de:code 2015」が5月26日・27日に日本開催
日本では、5月26日、27日の2日間、開発者向けイベント「de:code 2015」が開催され、Build 2015の内容が国内開発者向けに公開される。
実はマイクロソフトでは、「ポストBuild」として、全世界25都市で、各国の開発者向けイベントを開催するが、日本だけが名称を「de:code」としている。de:codeは、昨年から日本で開催している日本固有の開発者向けイベントの名称で、それを継承したもの。
また、日本だけが依然としてTechEdの名称を使用し、「TechEd + //build」というサブタイトルを付けている。日本の開発者にとって、TechEdの名称が開発者向けイベントとして定着しているという配慮からで、これも世界の中では異例だ。
Windows 10の発売を控え、これまでマイクロソフトから離れていた開発者にとっても、Windowsプラットフォームが魅力的になっているのは確かなようだ。
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