マイクロソフトが、2016年第1四半期にも「Microsoft HoloLens」の開発キットの提供を開始すると発表した。
HoloLensは、ヘッドマウントディスプレー型の端末ともいえるデバイスで、視界に3Dの仮想オブジェクトを重ねて表示できるのが特徴だ。
Channel 9上で展開されている「窓と雲と青い空」(madokumo #02 - Windows 10 Devices Event 発表の新デバイスが欲しい理由)より |
ゴーグルのように装着して、現実の視界の中に仮想的な情報を映し出せるため、「リアルの世界とデジタルの世界を組み合わせた『ミックスド・リアリティ』の世界を実現。これによって、これまでにない体験ができる」と、米マイクロソフトのサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOは語る。続けて、「私自身も体験してみたが、出力・入力の方法を変え、世界を大きく変えることができるものになる」と、HoloLensによって実現する新たな世界を表現してみせた。
家の中に仮想的にテレビを出現させて、そこからテレビ番組を見たり、壁にたくさんのエクセルファイルを表示して操作するといったことも可能だ。パーソナルユースでも、ビジネスユースでも用途は幅広いといえる。
ナデラCEOは、1日中HoloLensをかけて仕事をしてみたエピソードを明かし、「透過型のHoloLensは、装着したまま目の前の相手と会話しながら、そこに様々な情報を映し出せることにメリットを感じた。また、映画コンテンツとEdgeブラウザーを並べて表示して、映画を見ながら、それに関する情報を学習するといった使い方ができた」と、自らの体験を語った。
深い感情や愛情さえも生まれるのではないか
HoloLensは、ゲームの世界も変える。
米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント Next Generation Experiences担当のクドー・ツノダ(Kudo Tsunoda)氏は、「これまでは、ムービーでもゲームでも、見た人やプレイした人は全員が同じ体験をしていた。
一方HoloLensでは、エンターテイメント体験をそれぞれのユーザーごとにカスタマイズできるのが特徴だといえる」と前置きし、「たとえばビデオゲームの場合、デジタルの世界だけでプレイするのではなく、人がいるリアル空間を組み合わせられる。そのため、場所によって違うストーリーが展開するといった提案が可能になる。
そして、これまではゲーム上のキャラクターはスクリーン上にしか存在せず遠い存在だったが、HoloLensを使うことでリアルな存在としてキャラクターが動くようになる」とする。
HoloLensを装着してゲームをプレイすれば、自分の部屋にゲームのキャラクターが登場。普段自分が使っているソファにキャラクターが座って、対話しながらゲームを進行させるといったことも可能になる。
「こうした新たな体験はこれまでにないもの。キャラクターをリアルな世界に落とし込むことで、もっとストーリーにのめり込んだり、これまでにないエモーショナルな世界を体験してもらえる」と続ける。そして、「キャラクターに対して、深い感情や愛情さえも生まれるのではないか」と笑ってみせる。
HoloLensによって、エンターテイメントの楽しみ方が次のレベルに引き上げられることになりそうだ。
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