AMDのAPUであるが、前回のロードマップアップデートは昨年6月だったので、9ヵ月ぶりとなる。ということでまずは前回のロードマップのアップデートからお伝えしよう。
1月にKaveriが発売
人気で供給が追いつかず
まずは1月14日に無事KaveriベースのAPUが発売開始された。当初発表されたのは3製品、すなわち「A10-7850K」と「A10-7700K」、それに「A8-7600」であるが、このうちA8-7600そのものはまだ発売されていない。
なぜかは非常に簡単で、Kグレード2製品の売れ行きが良すぎて、供給が追いつかないほどの状態だからだ。3月21日現在、A10-7850Kの価格は2万1780円。下位モデルのA10-7700Kの価格は1万8807円。大体インテルのCore i5と同程度の価格レンジだから、「ほしい人はすぐ買える」程度。そうしたこともあって、非常に良く売れているようだ。
実際関係者に聞く限りは、日本だけでなく全世界的に予想を上回る売れ行きで供給が間に合ってない、という認識で正しいようである。なので、下位グレードについては需要が一段落するまで保留なようだ。これは実はプロセス側の問題もあるのだが、それは後述する。
さて、AMDでは第2四半期(4月という説と5月という説の両方がある)に、続く4製品を発表する予定だ。まずはA10-7850Kの倍率ロックした、やや下位モデルにあたる「A10-7800」。同様にA10-7700Kの倍率ロックを行ない微妙に動作周波数を下げた「A8-7600」。さらに、2コア(1モジュールを無効化した)モデルの「A6-7400K」と、この倍率ロック版である「A6-7300」というラインナップだ。
これでCore i3~Pentiumの上位モデルまでに対抗する製品をラインナップできる。特にA6-7400Kなど、インテルが発表した「Pentium Anniversary Edition」にちょうど対抗できる良い製品に思える。というよりインテルがA6-7400Kに対抗してPentium Anniversary Editionを追加したというのが正解かもしれない。
これと並行してAMDは4月に、Kabiniをベースとした「Athlon」および「Sempron」を投入することを発表した。既報の通り、中身はKabiniそのもので、パッケージが従来のFT3に変わりAM1に切り替わる。現状まだ細かなラインナップは発表されていないが、以下の4製品になる模様だ。
Athlon:A6-5350/A6-5150
Sempron:E2-3850/E1-2650
どの製品もTDPは25Wで、GPUのシェーダー数も128SPで共通であり、その意味では特に違いはない。すでに主要なマザーボードメーカーからこのAM1に対応した製品の発表もされている。
不明なのは、このAM1プラットフォームがリリースされた後で既存のFT3 APUのラインナップがどうなるかである。今聞こえている限り、A6-5200とE1-2500の2製品は引き続きFT3のまま提供され続けることで、A4-5000やE2-3000はAthlon/Sempronで代替されてしまう「らしい」。
ただローエンドのE1-2100は今のところ代替のSempronは存在しないし、ローエンドタブレットなどではPGAパッケージに切り替えることで余分な部品代が増えたり、CPUの厚みが増す(ソケットの分だけ増える)ことは避けられないだけに、引き続き提供されるのではないかと予想する。
※お詫びと訂正:ロードマップの図中、KabiniとBeemaの投入時期に誤りがありました。また、本文中にKabiniをベースとした「Dulon」とありましたが、正しくはDulonではなくSempronになります。記事を訂正してお詫びします。
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