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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第253回

AMDが目指すアンビデクストラス・コンピューティングの理想と現実

2014年05月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 プロセスの話も段々に佳境に入ってきたが、4月末~5月にかけて、AMDの新しいCPUロードマップが公開されたので、今回はプロセスの話をお休みして、このロードマップについて解説しよう。

アンビデクストラス・コンピューティングの軸となるProject Skybridge

x86とARM、両方の製品を提供していく
アンビデクストラス・コンピューティング

 AMDは、4月29日にMULLINSBEEMAを発表、続いて5月5日にアンビデクストラス・コンピューティングを発表した。前者は次回解説するので、今回は後者を取り上げる。

 AMDがx86に加えてARMコアを投入する話は、2012年から明らかにされており、2013年6月にはSeattleコアの詳細が発表された。筆者も連載208回で解説しているが、まずはこの動機について簡単な説明があった。

ARMとx86を合わせた市場規模。ただ最下段にあるEmbeddedがどこまで含まれるかが微妙なところ。Cortex-Aシリーズの市場どまりならわかるが、Cortex-Mや、Cortex-Rの市場まで勘定に入れている気がする。そうした市場はAMDには関係ない気がするのだが……

 ARMとx86を合わせた市場規模は800億ドルもあるため、これを掴みたいというのがAMDの基本的な発想である。その市場に向けたAMDの新しい取り組みがアンビデクストラス・コンピューティングである。

発音は“アンビィデェクストゥラァス”。意味は「両手利き」や「非常に器用な」だが、「二心のある」「二枚舌」「ずるい」といった意味もあるところが深い

 具体的には、段階を踏んでx86とARM、両方の製品を提供していくというものだ。第1段階である2014年は、まずx86ではKaveriと、それと先月発表されたBeema/Mullinsを提供し、その一方でARMベースのSeattleのサンプル出荷が今年中に開始される。

2014年はあくまで「ARMとx86、2種類のプロセッサーを提供する」に過ぎないARMベースとなるSeattleの概要。DDR4対応で、SBSA(ARM Server Base System Architecture)に準拠する

 2015年になると、ARMコアとx86コアでピン配列が同一な製品が投入されることになる。なお、その製品はProject Skybridgeと呼ばれ、x86ではPuma+コアをベースに、ARMではCortex-A57をベースにしたうえで、GCNベースのGPUコアをHSAフルサポートの形で実装することが明らかにされた。

2015年になると、ARMコアとx86コアでピン配列が同一な製品が投入される。これで誰がうれしいのかは後述するProject Skybridgeの概要。製造プロセスが20nmという話もここで公式に初公開された

 この意味合いは後述するとして先に進もう。2016年以降のタイミングで、AMDは独自設計の64bit ARMを投入する。すでにAMDはARMよりARM v8Aのアーキテクチャーライセンスを受けたそうで、これにより独自の設計が可能になった。ちなみにこの新しい64bit ARMコアに、AMDは“K12”という名称をつけていることも明らかにした。

2016年以降のロードマップ。AMDは独自設計の64bit ARMを投入する。アーキテクチャーライセンスに関する話は、同社CTOのMark Papermaster氏のほか、APAC向けに説明を行なったSuresh Gopalakrishnan氏にも確認した新しい64bit ARMコアの名称は“K12”。ちなみに2016年を見ると、ARMのロゴが引き続きあることからもわかる通り、ARMのCortex-Aシリーズベースの製品も引き続き製造するようだ

 なお、2016年以降には、この独自64bit ARM以外にも新しいx86コアを投入することも明らかにしている。

アンビデクストラス・コンピューティングのロードマップ。2016+の補足に“alongside new 64-bit x86 core”(これと並行して新しいx86 coreも開発する)とある

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