ローパスフィルターの有無でエッジの描画が異なる
前ページまでがそれぞれの機種での感度比較で、一番低い状態を見分けるとそれぞれの比較ができる。ちょっと絞りをF16と絞りすぎてしまったので、回折現象によりシャープネスの低下が見られはするが参考にはなるだろう。
今回の6機種の中でローパスフィルターを採用しているのはソニーのRX1とキヤノンのPowerShot G1 Xの2機種。それ以外はすべてローパスフィルターは採用していない。
改めて確認すると、ローパスフィルターによる解像感の低下はそれほど気にならない。むしろ不採用のリコー GRがエッジの強調が目立つなど、画像処理のほうが優先度が高いようだ。
とは言っても、やはりローパスフィルターのない機種のエッジの歯切れのよさは秀逸だ。富士フイルムのX100SとシグマのDP2 Merrillは、ディテールの再現性が高く自然なエッジで、わずかな差ではあるが他機種よりも良好だ。
またフルサイズセンサー搭載のRX1は、ローパスフィルター採用ながらエッジ部分の強調が多少残るものの、先の2機種に負けないくらい画質が高い。
おそらく、少し前まではローパスフィルター採用でいかに解像感を上げるかがデジカメの画像処理の課題だったのだろう。そして、かなり高いレベルに上がってきているが、これからはローパスフィルターなしでいかに解像感を出すかが課題になるのだろう。
遠景の解像感をチェック!
最後に、遠景の解像感をチェックしてみた。見比べるとかなりの差は出てくるのがわかる。
富士フイルムのX100SとシグマのDP2 Merrillの解像感は圧倒的だ。中心分よりほぼ左にある燈籠の再現性を見ると確認できるだろう。また樹の枝や芝生の再現性でもディテールの再現性を確認できる。
感度比較しながら撮った結果ではソニーのRX1はかなり良好だったが、遠景の解像感はちょっと富士とシグマに劣ってしまっている。
高感度撮影も含めて優秀だったのは富士フイルム「X100S」
画質のチェックは被写体や撮影条件によって差が出てくるので、今回のテストがすべてではない。ただ、今回の結果を見ると、富士フイルムのX100SとシグマのDP2 Merrillが、写りの良さでは他機種よりも一歩優秀。
高感度撮影までを含めるとシグマはちょっと残念な結果になるので、総合的には富士フイルムが一番いい結果となった。
ただし、写真にとっては撮像素子だけじゃなく、レンズも重要、ということで、次回はレンズを中心にした画質チェックを行なってみる。
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