富士フイルムは、昨年開発表明を行なった高級コンパクトデジタルカメラ「FinePix X100」(関連記事)の、日本国内における発売日を発表した。3月5日の発売で、予想実売価格は13万円前後となる。
OVFとEVFを切り替えられる「X100」
FinePix X100は光学ファインダー(OVF)と、0.47型(約144万ドット)の電子ビューファインダー(EVF)を切り替えて使用できる「ハイブリッドビューファインダー」が話題となった機種。単焦点23mmのレンズと、APS-Cサイズの1230万画素CMOSセンサーを搭載する。
裏面照射型の新センサーを開発
また同社は、新開発の1600万画素「EXR CMOS」センサーを搭載したデジタルカメラを発表した。EXR CMOSセンサーは、従来の同社「スーパーCCDハニカムEXR」センサーの特徴である画素の斜め配列を継承しながら、裏面照射型(回路をフォトダイオードの裏側に配線)にしたもの。
これにより、従来の高い解像感と広いダイナミックレンジ、少ないノイズという特徴に裏面照射型の特性がプラスされ、相乗効果でさらなる高画質化を実現したという。
感度に関しては、通常のセンサーに比べて(斜め配列により受光面積が広い)EXRセンサーは2倍高感度で、裏面照射型になったことでさらに2倍、画像の重ね合わせ処理(インテリジェントブレ防止機能)によりさらに2倍――合計で8倍高感度撮影に強いという。
またダイナミックレンジも従来比で1600%となっている。
そのEXR CMOSセンサーを搭載する機種として、光学15倍ズームレンズ搭載の「FinePix F550 EXR」(2月26日発売、予想実売価格4万円前後)と、光学30倍ズームレンズを搭載する「FinePix HS20 EXR」(3月5日発売、予想実売価格5万円前後)の2機種が登場する。
どちらも感度はISO 12800まで設定可能で、49パターンのシーン認識を行なう「プレミアムEXR AUTO」モードを搭載。高速連写で記録した画像を合成し、手ブレやノイズを除去するインテリジェントブレ防止機能などを利用できる。
また、1600万画素で秒間最大8コマの連写ができるほか、フルHDサイズの動画撮影機能も搭載する。
F550 EXRはGPSを搭載。世界の約50万件のランドマークや都市名を本体に収録しており、撮影画像といっしょに撮影場所の名前も表示できる。
また、コントラストAFを採用することで、0.16秒のAF合焦速度を実現している。本体サイズは幅103.5×奥行き32.6(最薄部22.9)×高さ62.5mm、撮影時重量は約215g。
HS20 EXRは、液晶ビューファインダーと3型のバリアングル液晶モニターを搭載。アクセサリーシューも装備しており、外付けストロボの装着も可能だ。本体サイズは幅130.6×奥行き126×高さ90.7mm、撮影時重量は約730g。
そのほか、(EXR CMOSセンサー搭載機ではないが)防水・堅牢デジカメの新機種「FinePix XP30」(3月12日発売、予想実売価格2万5000円前後)も登場した。従来機と比較して耐水深性能が3mから5mに、耐落下衝撃性能が1mから1.5mになった。-10℃の耐寒性や防塵設計は従来どおり。
GPSを内蔵し、世界約50万件のランドマーク名などを本体に収録。撮像素子は1420万画素のCCDセンサーで、光学5倍ズームレンズを内蔵する。本体サイズは幅99.2×奥行き23.9(最薄部23.1)×高さ67.7mm、撮影時重量は約165g。