キヤノンから、コンパクトデジタルカメラ10機種が一斉に発表された。「IXY」が4機種、「PowerShot」が6機種となる。2月中旬から5月上旬にかけて順次発売される。
初代IXY DIGITALのデザインを引き継ぐ
「IXY 1」&「IXY 3」
“原点回帰”を目指したという「IXY 1」(3月上旬発売、予想実売価格4万円前後)と「IXY 3」(2月下旬発売、予想実売価格3万5000円前後)は、初代「IXY DIGITAL」を意識した外観デザインを採用。光学12倍ズームレンズを搭載しながら19.2mmの薄さを実現している。
従来のデジタルズームを改良した「プログレッシブファインズーム」により、光学ズームの2倍まで画質の劣化を抑えたデジタルズームが可能。本機の場合は21倍までプログレッシブファインズームが利用できる。
IXY 1は無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)を内蔵しているのも特徴だ。PCはもちろん、ネットサービス(CANON iMAGE GATEWAY経由でFacebookやTwitterなど)や無線LAN内蔵の同社デジカメなどへの撮影画像/動画のダイレクト送信が可能だ。
加えて、iPhone 4/4SやiPad/iPad 2、iPod touch(第4世代)でカメラ内の画像や動画を再生したり、これらの端末からの操作でカメラの画像を直接メールやFacebookなどに送信する機能も搭載する。利用にはオリジナルアプリ「CameraWindow」(無料)の導入が必要だ。なお、Android版も4月末頃にリリース予定だが、動画再生はサポートされない。
オート撮影機能の「こだわりオート」も進化した。従来、被写体(人物や風景、動きなど)と背景(明暗や青空、夕景など)の組み合わせで32パターンのシチュエーションから自動的に選択していたが、新機種では被写体に個人認証と笑顔、寝顔、赤ちゃんなどの認識を加えることで選択肢が58パターンとなった。
個人認証は事前に登録した人の顔を優先的に撮影する機能で、ピントや露出などを認識した人の顔に合わせてくれる。登録の際に生年月日を入力することで、若い年の人の顔を優先的に認識する、という機能も搭載する。
また、赤ちゃんを撮影する際はストロボを非発光にしたり、動き回る子供を撮影する場合は3枚連写して被写体ブレを防いでくれたりする。笑顔撮影でも3枚連写してその中からベストな1枚を選択でき、寝顔撮影ではストロボ、AF補助光、シャッター音をOFFにする。さらに3枚連写して画像合成することで、暗い場所でも低ノイズな写真に仕上げる。
静止画撮影や流し撮りなど、撮り方に合わせて最適な手ブレ補正機能を自動選択する「マルチシーンIS」との組み合わせにより、205パターンのシチュエーションから最適な設定を自動選択する(マルチシーンISは同社従来機も搭載。こだわりオートとの組み合わせで78パターンのシチュエーションだった)。
撮像素子は1010万画素のCMOSセンサーで、感度設定はISO 3200まで可能。IXY 1の背面ディスプレーはタッチパネル式で(IXY 3のディスプレーはタッチパネル式ではない)、フルHDの動画撮影にも対応する。記録媒体はmicroSDカード(microSDHC、microSDXC)となる。
1610万画素CMOSセンサーを搭載した
「IXY 420F」&「IXY 220F」
IXY 1同様に無線LAN&タッチパネルを搭載する「IXY 420F」(3月上旬発売、予想実売価格3万円前後)と、これらが非搭載の「IXY 220F」(2月下旬発売、予想実売価格2万6000円前後)という2機種も発表された。IXY1&3よりも丸みを帯びたカジュアルなデザインとなっている。
ともに撮像素子は1610万画素のCMOSセンサーを採用し、光学5倍ズームレンズを搭載。10倍のプログレッシブファインズームが利用可能だ。
IXY1/3と同じく58パターン対応のこだわりオートとマルチシーンISを搭載。感度設定はISO 3200までで、フルHD動画の撮影にも対応する。