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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第1回

バランス駆動に対応した、ラックスマンのフラッグシップHPAを徹底試聴

P-700uほか、総額約100万円でヘッドフォンの世界を堪能した (5/5)

2013年06月16日 09時00分更新

文● 編集部

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基準となりうる性能を提供しつつ、変化を楽しむ魅力も兼ね備える

 一昔前の状況を振り返ると、ヘッドフォンは手軽かつ安価に高音質を求めるといった意味合いで評価される傾向が強かったように思う。しかし、考えてみると、ヘッドフォンには、ルームアコースティックなどの環境に依存せず、プラグを差し替えるだけで手軽に音の変化や違いを確認できるという特徴がある。

 今回の例でもバランスとアンバランスの違い、ヘッドフォンの違い、プレーヤーの違い……といった具合に多彩な組み合わせを興味深く試すことができた。

 簡単に言えば、機器の変更だけで音の違いを楽しめるということになる。自分の好みの音を知り、追究できるし、複数の機器を所有し、気分や用途に応じて音のバリエーションを楽しむことも容易だ。

 P-700uはバランス・アンバランス駆動の違いで異なる2つのキャラクターをソースに応じて選べる。使用することで、手持ちのヘッドフォンが秘めたポテンシャルを改めて実感することもできた。

 もちろんとかく大掛かりなシステムになりがちな、単品コンポーネントに比べればスペース面での制約も少ない。きっかけはポータブルオーディオの進化だったかもしれないが、ロスレス圧縮、そしてハイレゾやDSDといったCD品質を大きく上回る音源そのものの進化も背景に、手軽さと高品質を求める選択肢のひとつになっている。

 そしてハイエンドになればなるほど、アンプの占める重要性は高くなる。そう実感させてくれたのがP-700uであり、今後のヘッドフォン評価の基準になるのは間違いない。

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