歴史の重みを感じた、2時間超の試聴取材
LUXMAN試聴室で、ハイレゾと真空管、両極端のサウンドを体験 (1/6)
2011年03月11日 09時00分更新
音の総合メーカーへと進化しつつあるラックスマン
今回は新横浜にあるラックスマン(LUXMAN)の試聴室を訪問した。
筆者がラックスマンと聞いて、まず最初に思い浮かべるのが、一連の高級プリメインアンプである。特に中央に左右一組用意された、大型の針式パワーメーター。これは同社のアイデンティティーと言ってもいい特徴だろう。重厚で存在感があり、「これぞハイエンド」と納得するのに十分だし、「いつかはこんな機種を所有したいな」という憧れに似た感情が喚起されたりもする。
この窓の照明もしゃれている。増幅方式の違いで2色が用意されており、A級は黄色、AB級は水色で光る。現在人気があるのは、A級のシリーズだというが、このカテゴリーには、昨年末に新モデル「L-590AX」(55万6500円)が加わったばかりだ。
しかし近年のラインアップを見てみると、ラックスマンが決してプリメインアンプだけの会社ではないことが分かる。聞けば、転機となったのは2004年前後だという。その約2年前、社長に就任した土井 和幸氏が「社長設計プロジェクト」という名目で、セパレート型の真空管アンプ(CL-88とMQ-88)を開発。市場投入したのがきっかけだ。
このCL-88とMQ-88のデザインはきわめて印象的なものだった。いままでの真空管アンプのイメージを払拭する斬新な外観には賛否両論あったが、それ以降、現在に至る個性的なラックスマンのラインアップが華開く端緒として感銘深い。
そして翌年には、創業80周年を記念したフラッグシップ・セパレートアンプが登場。さらに、同社初のハイエンドSACDプレーヤー(2ch専用のCDプレーヤーとしては10年ぶり)や、コンパクトな真空管システムなど、新製品のリリースが続いた。最近では、オーストリアのコンセンサス・オーディオからハイエンドスピーカーを輸入開始。昨年はついにパソコンと接続可能なUSB DACまで発表してしまった。
このように、非常に精力的かつ挑戦的に製品のカバレッジを拡げているのが、現在のラックスマンの姿なのだ。
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