OpenFlow/SDNの波が来た 第17回
4月以降のファームウェアのバージョンアップで対応
ポテンシャルは未知数?アライド、独自のSDN「u-VCF」披露
2013年02月05日 06時00分更新
2月4日、アライドテレシスは独自のSDN(Software-Defined Network)構想である「unified Virtual Fabric(以下、u-VCF)」を発表した。ネットワーク仮想化により、ユーザーに最適なネットワークを迅速に提供することを目的とする。
アライド流のSDNはスイッチによる管理の統合と自動化
u-VCFは、ユーザーごとのネットワークを仮想的に集約化し、管理などを一元化することでコスト削減などを実現するというコンセプトで開発されたもの。現状、距離や個数の関係から異なる管理者が独自に管理しているネットワークを統合的に管理するほか、経路や帯域制御の自律化、サーバーとネットワークの連携などを実現する。
アーキテクチャとしては、複数スイッチでのスタッキング「VCS(Virtual Chassis Stacking)」やリング型ネットワーク「EPSR(Ethernet Protected Switched Ring)」、統合型のネットワーク認証などの従来のデータプレーンテクノロジーに加え、新たに「Allied Telesis Management Framework(AMF)」と呼ばれるコントロールプレーンテクノロジーを追加。
具体的にはシャーシ型スイッチ「Switch Blade x8100」がSDNにおけるコントローラーとして動作し、「SwitchBlade x908」や「CentreCOM x510」、「同x610」などのエッジスイッチを制御。ネットワーク設定の一元管理構築や保守運用の自動化などを実現するというものだ。これにより、人事異動や組織異動のたびに変更する必要があるネットワーク設定を自動的に最適化できるという。
アライドテレシスのマーケティング本部 第一プロダクトマーケティング部 課長 佐藤誠一郎氏は、こうしたコンセプトを持つu-VCFについて、「実用的な情報基盤を仮想化と共に提供する。クラウドビジネスをやっているプロバイダーなどにも、実質的なコスト負担削減として提案したい」と説明した。1人で多くの機器を管理する場合でも、ポリシーを保ったまま、仮想サーバーとネットワークの連携を実現できるという。
Allied Telesis Management Frameworkでは、ネットワークの一元管理、ネットワークの自動構築、保守運用を一元的に行なうマルチオペレーション/オートリカバリなどを実現する。将来的には、仮想マシンに追従するネットワーク構成の自動化やOpenFlowへの対応も予定している。AMFは2013年4月以降、同社のスイッチのファームウェアである「AlliedWarePlus」のバージョンアップで対応する。

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