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OpenFlow/SDNの波が来た 第21回

ノースバウンドAPIも独自に実装済み!

生粋のOpenFlow/SDNベンダー、ビッグ・スイッチが日本進出

2013年03月06日 10時00分更新

文● 渡邊利和

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3月5日、米ビッグ・スイッチ・ネットワークスは日本における事業展開について発表を行なった。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)およびネットワンシステムズとselling agent契約を締結、将来は同社自身が国内拠点を設立することも考えているという。

3種のSDNアーキテクチャすべてに対応

 米ビッグ・スイッチ・ネットワークスは、スタンフォード大学でOpenFlowの研究/開発を行なっていたチームによって設立された企業で、“SDNのリーディング・カンパニー”を標榜する。

米ビッグ・スイッチ・ネットワークス 最高経営責任者(CEO)/共同創業者-取締役 グイド・アッペンツェラー氏 (Guido Appenzeller)

 まず概要説明を行なった、同社の共同設立者でCEOのグイド・アッペンツェラー氏は、かつてスタンフォード大学のコンサルティング・アシスタント・プロフェッサーとしてOpenFlow v1.0の開発やリファレンス実装を行なった研究チームを統括した人物であり、東京大学生産技術研究所への留学経験もあるとのことで流ちょうな日本語で挨拶を行なった(もっとも、「私の日本語力では時間がかかりすぎる」という理由で以後の説明は英語で行なったのだが……)。

 同氏は日本市場を「SDNに関して世界最大でもっとも洗練された市場」だと評価する。実際にOpenFlowの成立には日本企業/日本人研究者の貢献が大きかったことはよく知られているし、SDNに対する関心度合いも高いことは間違いない。そうしたビジネス面での状況に加え、同氏が日本の状況に詳しいことも、異例とも言える迅速な国内展開につながっているとみて良さそうだ。

米ビッグ・スイッチ・ネットワークスのこれまでの歩み。設立は2010年で、2012年11月に製品の一般販売を開始している。日本市場参入はそれからわずか4ヶ月後という迅速さだ

 現時点での同社の製品は「Big Network Controller」「Big Virtual Switch」「Big Tap」の3つで、このすべてが国内でも提供される。Big Network Controllerは1000以上のスイッチの管理に対応する“SDNのネットワーク・アプリケーション・プラットフォーム”であり、サウスバウンドAPIにはOpenFlowを活用する一方、OpenFlowでの標準化は見送られたノースバウンドAPIを独自に開発し、オープン化している。

同社の現在の製品体系。中核となるBig Network Controllerと、その上のアプリケーション層で稼働するBig Virtual Switch/Big Tapの計3製品がある

 Big Virtual Switchは最大3万2000の仮想ネットワークセグメントをサポートする“データセンター向けネットワーク仮想化アプリケーション”。一方、Big Tapは物理/仮想スイッチに仮想的な“タッピングポート”を実現する“統合ネットワーク監視アプリケーション”で、いずれもBig Network ControllerのノースバウンドAPIを利用するアプリケーションとして実装される。

呉越同舟的な体制で売り上げを競う?

 設立の経緯からしてOpenFlow対応が前面に押し出されているのは当然だが、同社のBig Virtual Switchでは、「Pure Overlay(オーバーレイ型)」「ハイブリッド」「Pure OpenFlow」の3種のSDNアーキテクチャすべてをサポートする。同氏によれば、この3種すべてをサポートするのは業界でも同社のみだという。とはいえ、仮想化環境と親和性の高いPure Overlayと、OpenFlow対応の物理スイッチによるPure OpenFlowはどちらにも強みがあることから、両者の適材適所での組み合わせによるハイブリッドが将来的な本命と位置づけられているようだ。

Big Virtual SwitchがサポートするSDNの3種のアーキテクチャ。すべてをサポートする企業は他にないという

 技術面での特徴に加え、同社の日本での事業展開では、競合関係にあるCTCとネットワンを販売代理店に選び、呉越同舟的な体制を作り出している。ネットワンシステムズのビジネス推進グループ 執行役員の篠浦 文彦氏は、同社のSDN事業戦略の目標として「今後3年間で70億円の売上」を掲げた上で「CTCさんよりちょっと多い金額を目指したい」と付け加えるなど、両社のライバル意識が従来通りであることを伺わせたが、この両社が競い合って売上を伸ばすことになれば、まさにアッペンツェラーCEOの作戦勝ちということになるだろう。

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