OpenFlow/SDNの波が来た 第18回
SDN Gateway機能やAPIの拡張も
ストラトスフィアのSDN製品、MPLSやCloudStack対応を強化
2013年02月07日 14時00分更新
2月7日、ストラトスフィアは2012年10月31日より提供しているネットワーク仮想化プラットフォーム製品「Stratosphere SDN Platform 1.0」の機能を強化を発表した。ストラトスフィアはインターネットイニシアティブ(IIJ)とACCESSの合弁会社で、SDNをベースとした基盤ソフトウェアの研究開発を行なっている。
2月28日より提供される「Stratosphere SDN Platform 1.1」(以下、SSP 1.1)では以下のような機能強化が施されている。
- MPLS対応(WANへの拡張)
- データセンター間で仮想ネットワークを接続する際に、MPLS網を利用できる。MPLSの高度なネットワーク機能をSDNでも利用でき、広域なネットワーク全体の仮想化を実現する。
- SDN Gateway機能(LANへの拡張)
- 企業内のLANからSSPで管理されたクラウドの仮想ネットワークに、IPSecのトンネルを用いて安全に接続することができる。
- 2階層APIの提供
- エンドユーザおよびサービスプロバイダー、それぞれのニーズに合わせたAPIを提供する。このAPIを利用して、サービスプロバイダーが独自サービスを構築することが可能になる。次期バージョンでは、インフラ事業者向けのAPIを追加し、3階層のAPIとなる予定。
- CloudStackへの独自プラグイン提供
- CloudStackとの連携に独自のプラグインを提供。従来、Niciraのプラグインを利用していた。今後はストラトスフィア独自の機能を順次拡張していく予定。
- ブロードキャスト最適化機能(VXLANでの拡張)
- VXLAN上でのブロードキャストトラフィックによる通信負荷低減のため、IPマルチキャストやブロードキャストエンジンでトラフィック処理の最適化を行なう。これにより、エッジオーバーレイ型SDNで課題となるパフォーマンスの劣化を防ぐ。
- セパレート型及びビルトイン型の混在
- SSPでは、パケットを変換する仮想スイッチの処理を、物理サーバー上で動作させるビルトイン型の構成と、サーバーと別の専用機器上で動作させるセパレート型の構成が可能だが、従来は二者択一だった。SSP1.1では混在してシステムを構成できるようになった。

この連載の記事
-
第24回
ネットワーク
ネットワールド、既存の機器が使えるSDN管理ソフトウェア -
第23回
ネットワーク
Cisco ONEではオープンソースのSDNコントローラー推進 -
第22回
ネットワーク
MPLS-TPに対応!NECの通信事業者向けOpenFlowスイッチ -
第21回
ネットワーク
生粋のOpenFlow/SDNベンダー、ビッグ・スイッチが日本進出 -
第20回
ネットワーク
SDNに向けたジュニパーの“6-4-1”戦略 -
第19回
ネットワーク
SDNにも対応!シスコ、有線と無線の統合ネットワークを強化 -
第17回
ネットワーク
ポテンシャルは未知数?アライド、独自のSDN「u-VCF」披露 -
第16回
ネットワーク
SDNコントローラーの開発も表明!HP、SDN全方位展開へ -
第15回
ネットワーク
ブロケードが推進するファブリックとSDNの未来 -
第14回
ネットワーク
ルーティングまで仮想化!ブロケード、Vyatta買収を語る - この連載の一覧へ