一体化のメリットは使いやすさだけでなく
画質にも有効
最後に、BDレコーダー全般を統括しているプロジェクトアドバイザーの末永信一さんに、ハード面の話を聞いた。ほかのモデルと違うのはスカパー! HDチューナー部分で、このモデルのために新規に開発され、コンパクトな基板に収まっている。
鳥居:基本的にはメインの基板はほかのBDレコーダーと共通で、スカパー! HDチューナー部分だけを別基板で追加していると考えていいのでしょうか?
末永:コストを抑えるという点でもなるべく合理的な設計としています。スカパー! HDチューナー部分も、単体チューナーなどのノウハウは盛り込みながら、まったくの新開発になっています。
鳥居:このチューナー部を搭載するだけで、スカパー! HD対応になるわけではないでしょうが、ハイエンドモデルへの搭載なども比較的容易な気もしますが?
末永:ハイエンドモデルにも搭載してほしいという声は、たくさんの方から伺っています。今回はより多くの人にスカパー! HD内蔵モデルの魅力を知っていただきたいため、比較的手の届きやすい価格帯で商品化をしていますが、今後はハイエンドモデルなどへの展開も考えたいですね。
鳥居:この基板はサイズ的にかなり小さいですが、純粋に放送を受信する部分だけで、H.264形式で送られてくる信号のデコードは、メイン基板で処理されているのでしょうか。
末永:はい。スカパー! HDのH.264形式のストリームは、BDレコーダーの長時間録画とほぼ同じですから、同じ回路を使っています。
鳥居:CREAS 4の高画質技術はスカパー! HDの視聴でも有効ということですね。
末永:H.264形式は効率の良い圧縮技術ですが、スカパーHD!は全体的に転送レートが低いので、どうしてもノイズが目立ちます。それを補うようにCREAS 4の画質改善が効果を発揮します。
ここ最近のソニーのBDレコは長時間モードの画質劣化が少ないことで定評がある。これはエンコード技術の高さもあるが、再生時の画質改善による高画質化もかなりウェイトを占めていると思う。このあたりは、録画済みのスカパー! HDの番組をBDに保存して、本機で再生してみるとよくわかる。
情報量の不足でノイジーになりがちな場面でも
ノイズを抑えてかなり見やすく再生できる
スカパー! HDでは、さまざまなコンテンツを扱っていることもあり、番組によって画質にばらつきがあることが多い。しかし、一体化のメリットをきちんと活かして開発することで、使い勝手はもちろんのこと、画質についても最新鋭の技術で高画質化できるのは、ユーザーとしては実にありがたい部分だ。
話を聞くほど、BDZ-SKP75はスカパー! HDユーザーには待望のBDレコーダーだということがよくわかった。価格を含め、スカパー! HDの間口を広げてくれる極めてよく出来たモデルだと思う。
しかも、多チャンネル時代を見据えた使い勝手を盛り込むなど、これからのBDレコーダーに必要な機能も備わっており、スカパー! HDが必要ないという人にも興味を持ってほしいモデルだ。
BDレコーダーの録画機能や番組検索機能も、さまざまなテクニックやノウハウがたっぷり詰まっていることがわかったのは実に面白かった。最新BDレコーダーはやっぱり凄いとうならされた部分だ。特に番組検索機能は個人的にもぜひ使い込んでみたいと感じた。
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