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あなたの知らない最新AVの世界 第5回

屋外で高音質に音楽を聴けるヘッドフォンはどれですか!?

2011年11月30日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 iPodなどの携帯音楽プレーヤーの普及で、ヘッドフォンは身近なオーディオ用アイテムの代表と言える存在になった。わりとマニアックな世界であるオーディオ機器の中では、かなり知名度の高いジャンルではあるのだが、奥は深い。

 一言でヘッドフォンと言っても、そのバリエーションはかなり多く、使い方に合わせて最適なものを選ぶことも肝心だ。

 今回は特に需要が高いと思われる、屋外で快適に使えるヘッドフォンについて紹介していこう。初心者代表として、普段からiPodで音楽をよく聴いている編集者Sくんに話を聞きながら解説する。

鳥居:Sくんが普段使っているヘッドフォンは?

編集S:iPodに付属しているヘッドフォンですよ。ヘッドフォンを変えるとかなり音が変わるというのは知っていますが、種類もいっぱいあるし、価格も数千円~1万円以上と幅も広くて、どれを選ぶのがいいのかわからなくって。

鳥居:大型量販店のヘッドフォン売り場に行くと、ものすごい数のヘッドフォンが並んでいるし、どれを選べばいいのかわからないというのはよくわかるね。

編集S:そうなんですよ。それに、市販のヘッドフォンと付属ヘッドフォンでそんなに音が違うのかというのもちょっと疑問ですね。

鳥居:初めて市販のヘッドフォンを使うときには一番気になるところかもしれない。まずはそのあたりから試してみよう。

比較的安価なヘッドフォンでも
付属のものとは聴きやすさが変わってくる!

 携帯プレーヤーに付属するヘッドフォンの音質があまりよくないという話はよく耳にするが、果たしてそれが本当なのかは気になるところだ。わかりやすい目安としては、一般的な携帯プレーヤーに付属するヘッドフォンの価格はお店で買うならば数百円程度で手に入るものだと考えていい。

 価格が安ければ音が悪いというわけではないが、携帯プレーヤー自体の価格も安価になっているので、あまりヘッドフォンにコストをかけられないのが実情だ。

 これに対し、よく知られるメーカーの市販ヘッドフォンとなると、比較的安価なものでも1000~2000円くらいになる。価格で言えば10倍近い。ヘッドフォンはスピーカーと同じで、振動板を動かして音を鳴らすものだから、価格が高いほど性能の良い素材などを使えるし、音質には違いが出てくる。

おじさんの眼には眩しすぎるほどキラっキラっ輝くパナソニックの「RP-HJF5」

おじさんの眼には眩しすぎるほどキラっキラっ輝くパナソニックの「RP-HJF5」

 ここでは、そんな比較的安価なヘッドフォンとして、パナソニックの「RP-HJF5」(実売価格1700円前後)を用意してみた。女性向けの小さなサイズのモデルで、キュービックジルコニアをあしらったおしゃれなデザインとなっている。

 カラバリは12色でそれぞれ星座をモチーフにしているのも女性向け。入門用ヘッドフォンには、こうしたデザインを重視した可愛らしいものも多い。

編集S:これはかわいらしいというか、男が使うにはちょっと抵抗があるな~。

鳥居:それは言える。音質というよりも、ファッション感覚で選ぶタイプではあるね。

編集S:これならば、付属ヘッドフォンとたいして違いはないのでは?

鳥居:まあ、それくらい疑わしい気持ちで試してもらった方が、音質の違いを先入観なしで判断できるはず。試しに聴いてみよう。

 RP-HJF5は実際に装着してみようと思うと、本当に小さい。小さすぎて、男のごつい手でははめにくいと感じるほどだ。これを耳の穴の前側にある出っ張りに引っかかるように装着すると、案外ぴったりとフィットする。サイズも軽いので、違和感はほとんどない。

耳への装着イメージ。小さいので男性だとはめにくいかも

耳への装着イメージ。小さいので男性だとはめにくいかも

 筆者も正直なところ、疑わしい気持ちで試聴してみたのだが、これが案外良くできていて驚いた。小さいサイズのわりには低音感もしっかりとしているし、中域を中心に聴きやすい音質に仕上げているので、あまり不満は感じない。ボーカル曲を聴いても、声が明瞭でメリハリの効いた音になっていた。

 パナソニックは、わりと女性向けのヘッドフォンを数多く発売しているが、デザイン優先の造りかと思いきや音もしっかりしている。その点ですごく真面目なメーカーなのだ。本機の場合、決して本格的な音楽鑑賞までカバーできるわけではないが、基本的な性能はきちんと確保しており、実用レベルの音質になっている。

編集S:おお、(付属のヘッドフォンとは)結構違うんですね。音質として明らかに違うというわけではないですが、付属ヘッドフォンと比べてひとつひとつの音が聴きやすいように感じます。

鳥居:音がクリアで聴きやすいというのは、大きな差だと思います。実は付属ヘッドフォンでも、静かな環境で聴けば案外ちゃんとした音が聴けます。ただし、周囲が騒がしい環境ではそういった音に負けて音楽が聞こえにくくなりがち。それで音量を大きくしがちになり、長時間聴いていると耳が痛くなったり、難聴の原因になったりしてしまいます。

編集S:電車内とかで目立つ、シャカシャカと音が漏れているのは、そういうのも原因なのか。

鳥居:音漏れはヘッドフォンの種類によっても違いますが、付属ヘッドフォンだとわりと大きめの音量にしないと音楽が聞こえにくい傾向はありますね。

編集S:さすがは市販のヘッドフォンですね。価格が高くなるとさらに音質が良くなるというわけですか?

鳥居:初めて市販ヘッドフォンを使ってみようというならば、2000円くらいのものから試してみるといいでしょう。音質的に言うと、5000円~1万円くらいのものを選ぶと、かなりのグレードアップになると思います。

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