オーディオ&ビジュアルのトレンドをわかりやすく紹介していくこの連載、第2回は3Dテレビ時代には欠かせない「サラウンド」だ。
サラウンド再生は、古くは「ドルビー・プロロジック」のように、VHSやLDの時代から登場しているが、一般的に知られるようになってきたのは、DVDの普及以後となる。
ベテランのAVファンにしてみれば、5chがすべて独立してデジタル記録される“ディスクリート5.1ch”の「ドルビーデジタル」や「dts」は画期的だった。それまで夢物語だったホームシアターがいよいよ現実になったと思ったものだ。
しかし、DVDの登場以来10年以上が経過しても、サラウンドが一般化したとは言いにくい状態で、ホームシアターはいまだ憧れの存在と思われがちだ。憧れのままにしてしまうと夢は永遠に叶わない。実現するにあたって難題はいくらでもあるが、とにかく少しでも前進することが重要だ。
というわけで、今回は「サラウンド」という言葉は知っているけれども、自分の家に導入するなんて考えたこともないASCII.jp編集部の2人に登場してもらい、実際にサラウンドを体験してもらうことにした。
サラウンドの本当の実力を知ってもらうために
気合いを入れてセッティング
ASCII.jp編集部の2人に登場願う前に、まずは筆者がサラウンドシステムのセッティングを開始した。サラウンドを体験してもらうなら、1つ、または2つのスピーカーで仮想的にサラウンドを実現する“バーチャルサラウンド”などではなく、5つのスピーカーとサブウーファーを実際に設置したサラウンドシステムで聴いてもらいたい。
まず、用意したのはオンキヨーのAVアンプ「TX-NA809」(実売価格 およそ15万円)。サラウンドバックやフロントハイトといったチャンネルを含む、7.1ch再生に対応したAVアンプの上位モデルだ。
本機の音は事前にチェックしていたのだが、解像感の高い鳴り方が大きな特徴と感じた。低音もスムーズに最低域まで伸びるし、高域の再現もかなり明瞭だ。それでいて、高域や低域を変に強調したようなものではなく、音色はかなり忠実度が高く、アンプ自体の音色やクセを感じさせない。裏方に徹しつつ、スピーカーの持ち味をフルに引き出すタイプだ。
「ドルビーTrueHD」や「DTS-HD Master Audio」といった、Blu-ray Disc時代の最新サラウンドに対応しているのはもちろん、ネットワークオーディオは96kHz/24bitのハイレゾリューション音源にも対応。さらに映像処理回路には、「HQV Vida VHD1900」採用で最大で4K解像度の出力も行なえるなど、機能面でも最先端となっている。
これに組み合わせるのは、同じくオンキヨーのスピーカー「D-508」シリーズ。HiFiユースにも耐える実力を備えるシアター用スピーカーシリーズで、フロントにトールボーイ型の「D-508E」(実売価格約3万円×2)、センターが「D-508C」(同約2万2000円×2)、サラウンドがブックシェルフの「D-508M」(同約1万3000円×2)、そしてサブウーファーが「SL-D500」(同約3万2000円)となる。
いずれも同社独自のA-OMFモノコック振動板を採用しているなど、シアター用としてそれぞれの音色の統一感までこだわって開発されている。
AVアンプとスピーカーの組み合わせで約30万円となる。フロント用スピーカーでペア6万円という価格は、どちらかというとエントリークラスの価格帯だが、これを基本にサラウンドを構成しても合計でこのくらいの価格になってしまう。まあ、今のところは価格を気にするのはやめておこう。
この連載の記事
-
第7回
AV
こんなに進化していた! 高音質なPC用スピーカー(後編) -
第6回
AV
こんなに進化していた! 高音質なPC用スピーカー(前編) -
第5回
AV
屋外で高音質に音楽を聴けるヘッドフォンはどれですか!? -
第4回
AV
スカパー! HD内蔵のBDレコはこんなに凄い(後編) -
第3回
AV
スカパー! HD内蔵のBDレコはこんなに凄い(前編) -
第1回
AV
現代の3Dテレビの迫力はそんなに凄いのか? -
AV
あなたの知らない最新AVの世界 - この連載の一覧へ