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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第26回

32bit信号処理と第4世代「ダイレクト エナジーHDアンプ」搭載

格闘系AVマニアに贈る逸品! パイオニア「SC-LX83」(前編)

2011年02月02日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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DLNAや膨大な局がプリセットされた
インターネットラジオにも対応

 最新のAVアンプでは欠かせないネットワーク機能をチェックしてみよう。DLNA再生などを行なうには、まず、リモコンの「H・M・G」ボタンを押す。これが同社のネットワーク機能「ホームメディアギャラリー」の選択で、操作としてはGUIなどから選択するのではなく、BDやCDといった入力ソースのひとつとして用意されている。

リモコンで「H・M・G」ボタンを押したときの様子。インターネットや家庭内のサーバー機器と通信し、情報を取得している状態だ

リモコンで「H・M・G」ボタンを押したときの様子。インターネットや家庭内のサーバー機器と通信し、情報を取得している状態だ

「ホームメディアギャラリー」のトップ画面。無骨な表示にやや面食らうが、インターネットラジオやDLNAサーバー機器(ここではTORII-PC)などがフォルダの形で一覧表示されている

「ホームメディアギャラリー」のトップ画面。無骨な表示にやや面食らうが、インターネットラジオやDLNAサーバー機器(ここではTORII-PC)などがフォルダの形で一覧表示されている

 表示は拍子抜けするほどシンプルで、いきなり何かのフォルダー表示になったかと思ったが、よく見るとインターネットラジオや音楽配信サービス「Neural Music Direct」、そしてDLNA対応サーバーなどがまとめて表示されていることがわかる。

 親切なメニューとは言いにくいが、いちいちアイコンでそれぞれのサービスやDLNA機能を選択して、それぞれのメニューに移っていくよりもストレートにソースを選択できる。

 ちなみに、このホームメディアギャラリーはAVアンプの機能というよりは、ほかの入力ソースと同じ扱いとなるようで、リモコンの操作モードを「入力機器」にしないとフォルダの選択や決定などが行なえない。

 これには少々戸惑った。慣れてしまえば問題ないかもしれないが、画面に操作モード切替を促すメッセージを表示するなどのケアがあってもいいと思う。評価機を使う場合、取扱説明書が付属していないことがあり、われわれもそれでなんら問題なく使えるのだが、今回ばかりは、ホームページから取扱説明書をダウンロードするまで操作ができなかった。

 AV機器に慣れているはずの人間がこれなのだから、初心者に少なくない“取扱説明書を読まない人”にしてみれば、「故障か初期不良では?」と余計なトラブルを抱える原因になるかもしれない、と感じた。

自宅にあるPCの共有フォルダを表示したところ。音楽/ビデオ/画像(写真)のフォルダがあるが、BDレコで録画した番組などの再生には対応していない

自宅にあるPCの共有フォルダーを表示したところ。音楽/ビデオ/画像(写真)のフォルダーがあるが、BDレコで録画した番組などの再生には対応していない

音楽フォルダ内の表示。DLNA準拠の表示ルールどおりで、ジャンルやアーティスト別などの表示が選択できる。フォルダ整理されている場合はフォルダ表示も可能

音楽フォルダー内の表示。DLNA準拠の表示ルールどおりで、ジャンルやアーティスト別などの表示が選択できる。フォルダ整理されている場合はフォルダー表示も可能

音楽ファイルを再生したところ。音楽データのフォーマットやビットレートの表示が可能。日本語表示にも対応している

音楽ファイルを再生したところ。音楽データのフォーマットやビットレートの表示が可能。日本語表示にも対応している

インターネットラジオの「JAPAN」の放送局を一覧表示してみた。全部で69もの局が登録されており、音楽放送だけでなく、ニュースを放送する局もある

インターネットラジオの「JAPAN」の放送局を一覧表示してみた。全部で69もの局が登録されており、音楽放送だけでなく、ニュースを放送する局もある

放送局のひとつを選んで放送を聴いてみた。フォーマットやビットレートの表示は同様だが、音声のビットレートは32~64kbpsとやや低め

放送局のひとつを選んで放送を聴いてみた。フォーマットやビットレートの表示は同様だが、音声のビットレートは32~64kbpsとやや低め

「Neural Music Direct」の放送を視聴。DTSNeuralに対応するのはほぼパイオニア製のAVアンプのみだが、ビットレートは128kbpsとインターネットラジオとしては高品位

「Neural Music Direct」の放送を視聴。DTSNeuralに対応するのはほぼパイオニア製のAVアンプのみだが、ビットレートは128kbpsとインターネットラジオとしては高品位だ

 DLNAでの再生は、音楽データがMP3、WMA、WAV、写真がJPEGに対応している。惜しむらくはFLAC形式などへの対応も望みたいところだが、Windows Media PlayerなどでCDをリニアPCMのままリッピングして管理した環境では、CDと同等の音質でネットワーク再生ができることもあり、実用上は十分だ。

 インターネットラジオは大手ポータルのひとつであるvTunerに対応し、世界中の膨大な放送局の放送を視聴できる。気に入った局を63局までメモリーできるので、選局なども容易だ。操作のレスポンスはインターネットの接続速度にもよるが、もたつくこともなく快適に使えた。

 なお、これらの圧縮音源主体の音声も、同社の高音質機能「サウンドレトリバー」で失われた情報を補完し、CDに近いクオリティで楽しめる。また、本機のサウンドレトリバーはマルチチャンネル音声にも対応しているので、インターネットラジオやDLNAの圧縮音源だけでなく、地デジのAAC音声によるサラウンド放送もより高音質で楽しめる。

 注目したいのが、「Neural Music Direct」。これはDTS社の音楽フォーマット「Neural」を使った音楽サービスで、特徴としては2チャンネルと同じ帯域でサラウンド放送を行なうというもの。本機はNeuralデコーダーを内蔵しているので、放送をサラウンド音声で楽しめるのだ。放送局はまだ少ないものの音質的なクオリティも高く、本機のインターネット機能の大きな特徴と言える。

 次回は、マニュアルでの音質調整――いわば「格闘編」と、それらを含めた本機の音質チェックを行なっていきたい。


※編注:なぜ音質調整が“格闘”なのか!? を含め、2月上旬掲載予定の後編へ続く
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