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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」第27回

マニュアルMCACCで濃密カスタマイズ

格闘系AVマニアに贈る逸品! パイオニア「SC-LX83」(後編)

2011年02月09日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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いよいよ格闘編! 理想の音を求めて止まない
漢(おとこ)のための「マニュアルMCACC」

パイオニア「SC-LX83」

パイオニア「SC-LX83」

 前回に引き続き、パイオニアの高級AVアンプ「SC-LX83」(実売価格30万円前後)を取り上げるわけだが、ここでいよいよ「格闘編」に突入する。

 オーディオ、AVの世界でいったい何と戦うのか? と、感じる人は多いだろうが、筆者がAV雑誌の編集者として数々のオーディオ/AV評論家の先生方に薫陶を受けていた20年以上前から、「スピーカーと格闘する」といった表現を使う方が何人もいらした。

 当時の筆者はまったく意味がわからなかったものの、「格闘=漢の本能」的な間違った受け取り方をしてそのカッコイイ言葉に魅了され、自らも喜々として使うようになった次第だ。

 これはつまり、多くのスピーカーは「ポンと置いただけ」では、本来のスピーカーが持つポテンシャルを発揮できるわけではなく、十分に鳴らしきるには使い手にもそれなりの知識や経験、そして投資と時間と労力が求められるということを端的に言い表わした言葉だと、今では理解している。

 ハイエンドスピーカーの極端な例を挙げれば、100kg前後のもの(数十kgは普通)が存在するスピーカーの位置を、mm単位で微調整する。つまり自分の筋力で動かす、しかも、何度も何度も……。

 そう、スピーカーを鳴らしきること、理想の音を追求することとは、戦いなのだ。だから、何が相手なのかと問われれば、実はスピーカーそのものではなく自分自身(の中にある理想の音)と答えよう。そうでも思い込まないと簡単に日和ってしまうほど、オーディオの道は険しく、理想の音はいつまでたっても手の届かない高みにあるものなのだ(嘆息)。

 格闘と言えば、ステレオ時代はスピーカーを鳴らしきることが第一義だったが、サラウンド再生を考えると、スピーカーの数も増えたし、室内の音響特性の調整などもよりシビアになっており、格闘はさらに厳しくなる。それこそ、業務用の測定器でもないと精密な調整は難しいのではないかと思える。かと言って、「自動音場補正におまかせ」では、長年オーディオやAVにこだわってきたマニアの沽券に関わる。

 ここで問題になるのが、そのための方法。潤沢な資金があるならば、組み合わせるアンプや使用するケーブル、各種のアクセサリーを吟味するなどの方法が効果的だが、それは万人にはおすすめできない(できる人はやった方がいい)。

パワーアンプの冷却のためか、底面の一部の素材が異なっている

本体底面。パワーアンプの冷却のためか、底面の中央部分だけ素材が異なっている

 そこで、設置方法(スピーカーの足場となる置き台、安定した設置のためにインシュレーターやスペーサーを使用する、インシュレーターが高価ならば自作するなど)、壁からの距離、視聴位置からの距離・角度をmm単位、1度単位で吟味して、理想的な条件に調整するといった、ジャブの応酬のような地味な戦い方をすることになる。

 オーディオマニアはだいたい、スピーカーとがっぷり四つで組んで「よいしょよいしょ」と、日夜、位置の微調整を繰り返しているものなのだ。これはもう格闘そのものとしか言えない(そうでない人もいる)。

 こうした調整による効果はなかなか分かりにくいし、他人には理解もされにくい。というのは、客観的なデータとして表わしにくい領域の話だからだ。趣味の世界は主観の世界だから、本来は客観的なデータなどどうでもいいのだが、これが個人(本人)でも判断がつきにくかったりする。

 一晩必死になってスピーカーのセッティングを追い込んで、満足して一眠りして、翌日気持ちよく音楽を聴こうと音を出したら、これがひどい音だった、などいう笑い話は枚挙に暇がない。人の主観はその時々で変化もするし、かなりぶれるので、「はたして今の自分の格闘は有効なのか?」という疑問が生じたとき、客観的なデータは頼りになるのだ。 

 では、やはり映画館や音楽ホールを設計する人が使っているような、本格的な測定器が必要なのか? 否、そんな高価なものを手に入れるくらいなら、使っている機器にお金をかけた方が良い(借りられるなど、使えるならば使った方がいい)。

 前置きが長くて申し訳ないが、ここからが本題だ。パイオニアの自動音場補正機能「MCACC」にある「マニュアルMCACC」を使うと、オートMCACCにある機能のほとんどを自分の耳を使って微調整できるのだ。

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