高音質パーツの採用など
画質・音質にもこだわった「BD-HDW700」
では、BD-HDW700の詳細を見ていこう。まずは外観。デザインはHDW700/70系とHDW65/63系で多少異なっているが、大きなリングでHDDとBDの動作状態を表示するディスプレーなどは共通。チャンネルやカウンターの表示も大きく視認性がいい。
背面の入出力端子は、HDMI出力を2系統装備しており、サブ出力を使用したときは自動的にメインが映像のみ、サブが音声のみに切り替わる。
また、電源コネクターはアース付きの三極電源コードとなっている。電源コードは三極電源用と通常のコンセント用のものが2つ付属する。このほか、見た目からは分かりにくいが、天板は振動対策が施されており、軽く叩いてみると明らかに剛性が高いことが分かる。
天板の振動を抑えることで、内部の回路への振動の悪影響を低減しているわけだ。このほか、音響用の電解コンデンサーなどの高音質パーツも採用されている。
使い勝手の点で便利なのが、無線LANアダプターの内蔵。別売のアダプターを使うことなく、無線LAN接続ができるので、すでに無線LAN環境を導入している家庭では配線の必要がなくて便利だ。
シャープのBDレコの場合、ノイズリダクションや高画質回路などを一通り備えているが、詳細な画質調整などの機能はあまり盛り込まれていない。これについては画質調整はテレビ側で一括して行なうべきであり、再生機器側は最良の状態で送り出すことがベスト、という考え方があるためで、特に問題はない(レコーダーとテレビの両方で画質をいじると原因を特定しにくくなることがある)。
本機の場合、DVDなどの低解像度映像や画質が劣化しやすい長時間録画時の映像をより鮮明に再現できる「微細化高画質」という機能がある。
これを使うと、フルハイビジョンのデジタル放送でも細部のディテール感がさらに向上し、より鮮明な映像になる。DVDでもよりクリアな映像が楽しめる。オン/オフのみの切り替えだが、オンにすることでノイズ感が増えるようなデメリットはないので、テレビ視聴が主体の使い方ならば常時オンでいいだろう。
本機の画質は、明るい環境でテレビ放送を視聴するのに適した明るめの映像で、特にディテールの描画が優れている。反面、映画などの暗めのソースの場合、暗部の階調が不足気味になることが少々あった。
レンズのボケ味を生かしたシーンなども、画面全体が均一に精細に描かれてしまいがちで、自然な奥行き感もやや不足しがちになる。どちらかというと一般的なテレビ放送やビデオ撮影された映像に適した映像だ。
また、最長録画は10倍モードで、動きの少ないシーンではなかなか精細感のある映像が楽しめる。素早い動きでの映像の乱れはやや目立つが、全体にノイズが目に付くことも減るなど、改善が進んでいる。BDに残すならば3倍モードあたりがおすすめだが、ニュースなどを流して見るだけなら10倍モードでも十分使えるだろう。
そして、なかなか優秀だったのがDVDソフトの再生画質。これは微細化高画質の効果だけでなく、元々のスケーリング(解像度変換)が良好で、ノイズも少なく、精細感の向上にともなう輪郭の不自然さなどもない。DVDソフトやDVDレコで録ったソフトを数多く所有している人には有効だ。
音質は低音から高音までバランスのとれたもので、映画だけでなく音楽もきちんと情報を伝えられる。中でも声のクリアな再現が優秀だ。
トータルの性能で言えば、わかりやすい操作メニューの採用をはじめ、手軽に使えるモデルになっている。編集機能が部分消去のみとややシンプルで、ヘビーユーザーには食い足りない部分もあるが、快適な操作やマルチタスクの充実など、日常的な使い勝手の良さはとても優秀。
最新のBDXLをどこよりも先に搭載するなど、新機能の搭載に意欲的。人気の点でもライバルをおびやかす存在になりつつあり、目の離せないモデルと言えそうだ。
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